質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第一号
  令和二年一月三十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員有田芳生君提出政府認定拉致被害者の田中実さんなどに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出政府認定拉致被害者の田中実さんなどに関する質問に対する答弁書

一について

 田中実氏については、昭和五十三年六月、同氏が出入りしていた兵庫県神戸市内の飲食店の店主である北朝鮮からの指示を受けた在日朝鮮人の甘言により、海外に連れ出された後、北朝鮮に送り込まれたものであり、関係機関の捜査・調査の積み上げの結果、平成十七年四月二十七日、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成十四年法律第百四十三号)第二条の規定により、拉致被害者と認定されたものであるが、これ以上の詳細については、今後の捜査・調査に支障を及ぼすおそれや関係者のプライバシーを侵害するおそれを考慮する必要があることから、お答えを差し控えたい。

二について

 金田龍光氏については、兵庫県神戸市内に居住していたところ、昭和五十四年十一月に行方不明となっているものであり、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者として、関係機関が連携を図りながら、捜査・調査を推進しているが、これまでのところ、北朝鮮による拉致行為があったことを確認するには至っていない。これ以上の詳細については、今後の捜査・調査に支障を及ぼすおそれや関係者のプライバシーを侵害するおそれを考慮する必要があることから、お答えを差し控えたい。

三について

 お尋ねについては、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたいが、政府としては、拉致問題の全面解決に向けて、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くし、また、拉致に関する真相究明及び拉致実行犯の引渡しを引き続き追求していく考えである。

四について

 個々の報道を前提としたお尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。