質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第八二号

消防団の訓練に起因する破損に対する補償に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年三月十九日

塩村 あやか


       参議院議長 山東 昭子 殿



   消防団の訓練に起因する破損に対する補償に関する質問主意書

 消防団の訓練は、都市部では公道を使用しているため、一般の家屋に隣接している場所で行われることが多く、消防活動中だけでなく、訓練中にも事故などが発生しうる。消防活動中に事故が起きた場合の消防団員への補償としては、「非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令」、「消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律」等があると承知をしているが、逆に消防団員が訓練中に近隣施設や家屋、所有物(以下「近隣施設等」という。)などを破損することもある。消防活動中の近隣施設等の破損については消防法が適用されるが、訓練中については規定されておらず、国家賠償法により国又は地方公共団体に賠償を請求することとなると聞くが、利用は現実的ではない。

一 消防団員が訓練中に近隣施設等を破損した件数を政府は把握しているか。把握しているのであれば過去十年分の件数及びその内容を明らかにされたい。把握していないのであれば、その実態を調査すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 訓練中に消防団員が近隣施設等を破損した場合、総務省は当該近隣施設等の所有者に対して現在どのような対応をしているのか。

三 消防団員が訓練中に破損した近隣施設等について、消防団員が自費で補償しているケースも散見される。消防団員は年々減少しており、消防団員が安心して活動できるような環境を整備することが必要である。消防団員が訓練中に近隣施設等を破損した際の対応について定める法令がないのであれば、政府として消防団員が自費で補償する必要がない制度を創設するか、地方自治体へそのような制度の創設を促すことが必要であると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。