質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第三四号

子どもの貧困対策において、支援を求めやすくするための環境整備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年二月四日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   子どもの貧困対策において、支援を求めやすくするための環境整備に関する質問主意書

 子どもの貧困対策には、支援を必要とする子どもや保護者の早期発見が重要である。そのためには、支援を求めやすくする環境整備が必要であると考え、以下具体的な提案と質問をする。

一 子どもの貧困などの問題について、親から貧困状況を相談されたケースは実は極めて少ない。これは「貧困であることを他人には知られたくない」、「人の世話にはなりたくない」等、日本における恥の文化の影響があると想定される。また、そもそも支援制度の存在自体を知らない、支援が用意されていることを知らない等の理由で、支援の手が届いていないことがままある。
 子どもの貧困対策は、平成二十五年の子どもの貧困対策の推進に関する法律の成立及びそれに基づく第一期の「子どもの貧困対策に関する大綱」により、一定の前進を遂げた。特に、「子どもの貧困」という問題を世に認識させたことは大きな進歩であった。だが、「子どもの貧困」という課題に対する社会的認知は進んだと言える一方、「子どもの貧困は自分たちの問題だ、自分たちも支援して貰える対象なのだという具体的認知」は不十分なのではないか。
 昨年成立した子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律では、「児童の権利に関する条約の精神にのっとり」という文言が追加された。これを機に「子どもたちには「育つ権利」、「守られる権利」」があり、「「子どもの貧困」という問題について支援を受けられる正当性があるという意識」を持てるように周知を進めていくべきと考える。この点に関する政府の見解を示されたい。

二 子どもたち自身からの声を上げやすくするため、「子どもの貧困」という問題の存在と相談方法について、学校等の教育現場でも周知を図るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 子供の貧困対策として、それなりに多彩な支援制度が既に用意されているが、対象となっている方が利用できる制度の全てを活用できている訳ではない。この問題に関しては、有識者会議のメンバーからも、支援の必要な人が支援制度自体を知らなかったり、あるいは手続をしなかったりする状況も多いという指摘が出ている。この状況についての具体的な改善策を示されたい。

  右質問する。