質問主意書

第200回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇〇第四五号
  令和元年十一月十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員川田龍平君提出六ケ所再処理工場等貯蔵の高レベル廃液の重大事故評価が旧西ドイツ政府の大事故評価と異なること等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出六ケ所再処理工場等貯蔵の高レベル廃液の重大事故評価が旧西ドイツ政府の大事故評価と異なること等に関する質問に対する答弁書

一及び四について

 お尋ねについては、先の答弁書(令和元年七月五日内閣参質一九八第八一号。以下「前回答弁書」という。)一及び四についてでお答えしたとおり、原子力規制委員会において、現在、日本原燃株式会社の再処理事業所再処理施設について、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)及び原子炉等規制法の規定に基づく使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号)、再処理施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第二十七号。以下「事業指定基準規則」という。)等に定める基準(以下「新規制基準」という。)に係る適合性審査を行っており、現時点でお答えすることは差し控えたい。なお、当該適合性審査においては、事業指定基準規則第二十八条第三項において「再処理施設は、重大事故が発生した場合において、工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない」とされており、同項に定める「異常な水準の放出を防止する」ことについては、「再処理施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」(平成二十五年十一月二十七日原子力規制委員会決定)において「放射性物質の放出量がセシウム百三十七換算で百テラベクレルを十分下回るものであって、かつ、実行可能な限り低いことをいう」とされているところであり、御指摘の「ルテニウムだけ」で放射性物質の放出量を評価しているものではない。

二について

 「重大事故時に住民の受ける推定被ばく線量を評価し、公開しないのはなぜか」とのお尋ねについては、御指摘の「重大事故」が原子炉等規制法第四十四条の二第一項第二号に規定する「重大事故」を意味するものであるか必ずしも明らかではないが、御指摘の「両再処理工場」のうち、「日本原燃株式会社六ケ所再処理工場」に関しては、一及び四についてで述べたとおり、再処理施設における「重大事故が発生した場合」の「異常な水準の放出を防止するために必要な措置」に係る適合性審査においては、「放射性物質の放出量」を評価することとされており、御指摘のような被ばく線量の評価は求めていないことによる。また、御指摘の「両再処理工場」のうち、「日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所の再処理廃止措置技術開発センター」は、廃止措置がとられている段階にあるが、当該必要な措置に係る評価において同様の考え方をとっている。

三について

 「ウラル核惨事」のような「事故は、両再処理工場で絶対に起きないのか」及び「起きないとする場合、その根拠を示されたい」とのお尋ねについては、日本原燃株式会社の再処理事業所再処理施設に関しては、一及び四についてで述べたとおり、現在、新規制基準に係る適合性審査を行っており、また、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の核燃料サイクル工学研究所再処理施設に関しては、廃止措置段階にあり、原子力規制委員会において原子炉等規制法第五十条の五第三項において準用する原子炉等規制法第十二条の六第三項の廃止措置計画の変更の認可の申請に係る審査を行っているところであり、現時点でお答えすることは差し控えたい。
 お尋ねの「両再処理工場において現に貯蔵されている高レベル廃液中の有機物の混入割合」については、前回答弁書三についてでお答えしたとおり、政府として承知していない。