質問主意書

第200回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇〇第四一号
  令和元年十一月八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員熊谷裕人君提出東京オリンピック・パラリンピック競技大会期間中の物流分野の交通需要マネジメントに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員熊谷裕人君提出東京オリンピック・パラリンピック競技大会期間中の物流分野の交通需要マネジメントに関する質問に対する答弁書

一について

 本年十月十六日に東京都及び公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会により開催された「東京二○二○オリンピック・パラリンピック競技大会交通輸送技術検討会」において、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「大会」という。)本番に向けて実施した本年夏の交通対策の試行において交通量の減少率が目標に届かなかった要因として、首都高速道路の車種別交通量に係る中型車以上の減少率が普通車以下と比べて小さかったことなどが報告されたものと承知している。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国土交通省としては、大会期間中の円滑な大会輸送、経済活動及び市民生活を共存させるため、今後、大手宅配事業者各社との個別の協議(以下「個別の協議」という。)を通じ、関係地域における大会期間中の道路混雑の緩和のために講ずる具体策(以下「道路混雑緩和のための具体策」という。)の検討について、働きかけを行うこととしているところである。

三から五までについて

 お尋ねの「時間指定サービスの中止、再配達の削減、配送時間帯の見直し、共同配送など六項目」については、御指摘の「推進会議」において、大手宅配事業者各社における道路混雑緩和のための具体策の例示として示したものであり、今後、個別の協議を通じ、具体的な実施内容について調整することとしている。

六及び七について

 お尋ねの「経済的損失が生じる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国土交通省としては、大会期間中の円滑な大会輸送、大手宅配事業者各社の事業活動を含む経済活動及び市民生活を共存させるため、今後、個別の協議を通じ、道路混雑緩和のための具体策の検討について、働きかけを行うとともに、具体的な実施内容について調整することとしている。

八について

 働きかけによる交通需要低減が少ない状況下においては、円滑な大会輸送の実現のためにより強度な交通規制が行われることとなり、経済活動及び市民生活への影響がかえって大きくなることが懸念されるところである。政府としては、大会の競技会場等の多くは通勤、物流等に係る交通需要が集中している地域に立地していることから、大会期間中の円滑な大会輸送、経済活動及び市民生活を共存させることが重要であると考えており、一についてで述べた試行に係る報告等を踏まえ、荷主や消費者の理解及び協力を得つつ、中型車以上の利用が多い物流車両に係る働きかけによる交通需要の更なる低減に向けて取り組んでまいりたい。