質問主意書

第200回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇〇第三七号
  令和元年十一月一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員熊谷裕人君提出台風第十九号による埼玉県内の被害状況への対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員熊谷裕人君提出台風第十九号による埼玉県内の被害状況への対応に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「繰り返し市や県から国に要望がありつつも放置された」、「カスリーン台風の時と同じ場所で堤防の決壊が生じた事例が見られる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、河川の整備については、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条の二第一項の規定により、河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について、河川整備計画を定めておかなければならないこととされており、河川整備計画に基づく河川の整備に当たっては、治水上の安全性を確保するため、水害の形態及び氾濫域の状況のみならず、本支川及び上下流のバランス等を考慮し、水系全体として適切にバランスのとれたものとなるよう、段階的に実施することとしている。

二について

 お尋ねについては、本年十月二十九日に「令和元年十月十一日から同月十四日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」を閣議決定したところであり、この政令の制定により、御指摘の災害を激甚災害として指定し、公共土木施設の災害復旧事業、堆積土砂の排除事業等に関する特別の財政援助、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等を適用することとしている。

三について

 御指摘の「何らかの方策をとる準備」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「激甚災害指定の早期化に向けた運用の改善について」(平成二十九年十二月二十一日中央防災会議幹事会決定)に定めるところにより、被災自治体が行う被害状況調査に対する国による支援を積極的に行っているところである。

四について

 都幾川、市野川及び入間川の改修については、「荒川水系河川整備計画【大臣管理区間】」(平成二十八年三月十八日国土交通省関東地方整備局長策定)及び「荒川水系荒川中流右岸ブロック河川整備計画(県管理区間)」(平成十八年二月七日埼玉県知事策定)に基づき行うこととされているところ、これらの計画に基づく河川の整備に当たっては、治水上の安全性を確保するため、水害の形態及び氾濫域の状況のみならず、本支川及び上下流のバランス等を考慮し、水系全体として適切にバランスのとれたものとなるよう、段階的に実施しているところである。

五について

 御指摘の「カスリーン台風の被害を踏まえて、そのような被害を二度と生じさせないという思想で行われている」及び「カスリーン台風の時と同じ場所で堤防の決壊が生じ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、治水対策を将来の気候変動の影響による降雨量の増加等を反映したものに見直すことが重要であると考えており、現在、気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について社会資本整備審議会に諮問しているところである。