質問主意書

第200回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇〇第五号
  令和元年十月十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員有田芳生君提出拉致問題における仮想現実(VR)を利用した啓発活動に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出拉致問題における仮想現実(VR)を利用した啓発活動に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 政府としては、拉致問題の啓発において、特に、これまで拉致問題に触れる機会の少なかった若年層への啓発に力を入れて取り組んでいるところである。平成三十年度中に内閣官房拉致問題対策本部事務局が実施した教育機関における拉致問題の啓発の機会において、若年層から、拉致を実感をもって理解したいとの要望があったことを踏まえ、同事務局において、若年層が親しみやすいバーチャルリアリティーによる映像の活用を企画し、拉致現場を再現するバーチャルリアリティーを一部に駆使した映像資料(以下「本件映像資料」という。)を制作したものであり、本件映像資料は、主な啓発対象である若年層にとって、拉致問題についての実感をもった理解に資するとの目的に沿った内容であると考えている。

三について

 お尋ねの本件映像資料の制作については、一般競争入札により、契約価格二百五十五万四千二百円(消費税込み)で落札した株式会社メディアコミュニケーションズと本件映像資料制作業務に係る契約を締結したものである。また、本件映像資料を閲覧するバーチャルリアリティー視聴用ゴーグルについては、内閣官房の備品として一台三万二千四百円(消費税込み)で二台購入したものである。なお、同社と本件映像資料の制作に関与した脚本家等との間の契約金額については、民間事業者間の契約のため把握していない。

四について

 お尋ねの本件映像資料については、令和元年八月七日及び同月八日に開催したこども霞が関見学デーにおいて、内閣官房拉致問題対策本部事務局が実施したプログラム「拉致問題を知って、考え、声のメッセージを送ろう!」の会場内において初めて公開したものであり、同プログラムには、二日間で約二百名が来場したところであるが、本件映像資料を閲覧した人数については把握していない。また、同年十月八日に東京都立川市で行った拉致問題啓発舞台劇「めぐみへの誓い―奪還―」の会場ロビーにおいて、本件映像資料の体験コーナーを設置し、二十二名が閲覧したが、年齢層別内数については把握していない。

五について

 今後とも拉致問題に関する啓発活動の一環として、拉致問題に関する啓発イベント等において、本件映像資料を活用していく予定である。なお、本件映像資料は、若年層への啓発を主たる目的として制作したものであるが、閲覧者を若年層に限定したものではない。