質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二四号

防衛省及び外務省等による国際兵器展示会の後援行為が憲法の平和主義等に反することに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十二月九日

小西 洋之   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   防衛省及び外務省等による国際兵器展示会の後援行為が憲法の平和主義等に反することに関する質問主意書

一 防衛省、防衛装備庁、外務省並びに経済産業省が後援を行った「防衛・セキュリティ技術国際展示会/カンファレンス DSEI Japan 二〇一九」の開催目的、内容、主催者、実施日時・場所、出展企業数(国の数及び外国企業の数を含む。)、入場者数について、政府が認識していることを示されたい。

二 「令和元年十一月 防衛省」とのクレジットがある政府資料によれば、当「DSEI Japan 二〇一九」について、「DSEIは、英国で二〇〇一年から隔年開催されている世界最大規模の防衛装備品展示会」及び「英国以外の開催は、DSEI Japan 二〇一九が初」と記されているが、「DSEI Japan 二〇一九」の開催について、防衛省及び防衛装備庁などの日本の政府機関は如何なる役割を果たしてきたのか、具体的に示されたい。

三 前記二について、「DSEI Japan 二〇一九」の実行委員会のメンバーには元防衛事務次官、元防衛装備庁長官、元統合幕僚長など防衛省関係者が名を連ねているところ、「DSEI Japan 二〇一九」の開催は防衛省の現職の職員と退職者が一体となって組織ぐるみの取組の結果により為されたものではないのか。

四 当「DSEI Japan 二〇一九」は、外国企業同士、あるいは、外国企業と外国政府同士が兵器の商談を行う機会を提供するものでもあったと承知しているが、このような「防衛・セキュリティ技術国際展示会」なるものに対して、防衛省及び外務省等の政府機関が後援を行うことは、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と定める憲法の平和主義に矛盾しこれに反する行為ではないか。当該平和主義に矛盾等しないと政府において考える場合は、当該平和主義の意味を明らかにしつつ、矛盾等しないと考える理由について具体的に説明されたい。

五 当「DSEI Japan 二〇一九」は、外国企業同士、あるいは、外国企業と外国政府同士が兵器の商談を行う機会を提供するものでもあったと承知しているが、このような「防衛・セキュリティ技術国際展示会」なるものに対して、防衛省及び外務省等の政府機関が後援を行うことは、「日本国民は、恒久の平和を念願し、」と定める憲法の平和主義及び「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」と定める憲法第九条の趣旨に矛盾しこれに反する行為ではないか。当該平和主義及び憲法第九条の趣旨に矛盾等しないと政府において考える場合は、当該平和主義の意味及び憲法第九条の趣旨を明らかにしつつ、矛盾等しないと考える理由について具体的に説明されたい。

六 当「DSEI Japan 二〇一九」は、外国企業同士、あるいは、外国企業と外国政府同士が兵器の商談を行う機会を提供するものでもあったと承知しているが、このような「防衛・セキュリティ技術国際展示会」なるものに対して、防衛省及び外務省等の政府機関が後援を行うことは、憲法の定める国際協調主義と矛盾しこれに反しないのかについて政府の見解を示されたい。
 当該国際協調主義に矛盾等しないと政府において考える場合は、当該国際協調主義の意味を明らかにしつつ、矛盾等しないと考える理由について具体的に説明されたい。

七 外務省の設置目的は、我が国及び他国において国際紛争を解決するために武力の行使がなされることを徹底して阻止し、外交によって国際紛争を解決することを全うすることにあるのではないか。その外務省が、兵器拡散のお先棒を担ぐような後援行為を行うことは外務省の存在意義を放棄することになるのではないか。

八 国家安全保障戦略で定める積極的平和主義とこの度の「DSEI Japan 二〇一九」への防衛省及び外務省等の後援行為にはどのような関係があるか。何らかの関係がある場合は、具体的に示されたい。

  右質問する。