質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八一号

避難の在り方や避難所等の災害対策に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十一月二十九日

塩村 あやか   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   避難の在り方や避難所等の災害対策に関する再質問主意書

 私が提出した「避難の在り方や避難所等の災害対策に関する質問主意書(第二百回国会質問第五五号。以下「前回主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質二〇〇第五五号。以下「前回答弁書」という。)を踏まえ、改めて質問する。

一 前回答弁書の「一について」においては、避難所におけるペット対応に関して、政府がこれまで市町村に対して行っている働きかけについての説明を答弁として頂いたが、前回主意書の一で私が問うたのは、この度の台風十五号、十九号、二十一号と低気圧による豪雨がもたらした災害(以下「今回の災害」という。)において、各避難所でペットの同行避難等への対応が出来ていなかったことを踏まえ、避難所運営マニュアルなどへの明記を改めて自治体に促すために通知等を出すことに対する政府の見解である。
 今回の災害を踏まえ、今後、改めてペットの同行避難について、避難所運営マニュアルなどに明記すること等を自治体に促す必要があるのではないか、改めて政府の見解を伺う。

二 前回答弁書の「二について」においては、避難所の量的な確保に向けた取り組みについての説明を答弁として頂いたが、前記主意書の二で私が問うたのは一と同様、今後の対応についてである。
 今回の災害を踏まえ、以下の三点に関する今後の対応方針について、改めて政府の見解を伺う。
1 避難所の在り方や避難方法をどう改善するのか。
2 地域住民等へ、避難勧告等の情報をどう周知するのか。
3 自治体の取り組みをどうサポートするのか。

三 前回答弁書の「三について」においては、「避難勧告等に関するガイドライン」(平成三十一年三月内閣府(防災担当))における「居住者・施設管理者等」の中に、「河川敷にいる人(ホームレスを含む。)」が含まれている旨の答弁を頂いたが、「居住者・施設管理者等」として明文化されていないからこそ、ホームレスなどが「居住者・施設管理者等」の「等」に含まれているとの認識が自治体職員に薄く、今回の災害で路上生活者やホームレスが避難所から排除されたり、溺死したりしたのではないか。
 事実、東京のある自治体では、同ガイドライン通りの運用を行ったにもかかわらず、一名が溺死し、また、河川の濁流に流された二名のホームレスがヘリコプターで救出されている。
 同ガイドラインの見直しについては、国会答弁においても言及がなされており、また、同ガイドラインの中にも、「本ガイドラインは、(中略)今後の「運用実態」や新たな技術・知見等を踏まえ、より良いガイドラインとなるよう見直しを行っていく」との記述があるところである。ホームレスなどへ避難の声がけを行っているだけに止まる現在の行政の運用実態は、十分とは言えない。自治体職員の意識を改め、「避難の実効性」を確実なものとするため、ホームレスなどが「居住者・施設管理者等」の「等」に含まれることを同ガイドライン「等」に明記することが必要ではないか。
 以上の観点から、同ガイドラインについては、今回の災害を踏まえ、見直すべきと考えるが、改めて政府の見解を伺う。

四 前回答弁書の「五について」においては、災害救援活動などを主たる目的として設立されたNPO法人の一部への寄附金に対する所得税等の優遇措置等を講じている旨の説明を答弁として頂いたが、前回主意書の五で私が問うたのは、個人でのボランティア活動やNPO等のボランティア団体に対する税制上の優遇措置や活動費の補助の必要性についてである。
 ボランティア不足解消の一助となるよう、災害対策先進国で採用されている職能支援員等に係る制度を参考に、個人でのボランティア活動に対しては活動費の所得控除又は税額控除、NPO等のボランティア団体に対しては活動費の補助「等」の支援措置の実施を含めた議論が必要と考えるが、改めて政府の見解を伺う。

五 前回答弁書の「七について」において、「災害応援のために派遣された職員の受入れに要する経費については、費用を負担する被災地方公共団体に対して、その負担額の八割について特別交付税による財政措置を講じており、公務出張による災害応援のための職員の派遣に要する経費についても、費用を負担する派遣元の地方公共団体に対して、その負担額の八割について特別交付税による財政措置を講じているところである。」との答弁を頂いた。
 地方公共団体の負担額の八割については特別交付税による財政措置を講じていると言うことだが、残り二割についても双方の地方公共団体の負担をなくす措置を検討すべきと考える。双方の地方公共団体の負担を全てなくす措置については、被災地方公共団体の首長からの要望があるにもかかわらず、実現していない。政府は首長からの要望をどう捉えているのか。
 また、かかる措置が東日本大震災では実現し、昨年の西日本豪雨及び今回の災害では実現しない理由は何か。

  右質問する。