質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六六号

桜を見る会における内閣総理大臣夫人の法的地位に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十一月二十日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   桜を見る会における内閣総理大臣夫人の法的地位に関する質問主意書

 「衆議院議員逢坂誠二君提出内閣総理大臣夫人の法的地位に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質一九三第一〇五号)では、「「内閣総理大臣夫人」とは、内閣総理大臣の配偶者を指して一般的に用いられる呼称であり、当該呼称を用いるに当たり、公務員としての発令を要するものではない。公人とは、一般に、公職にある人を意味するものと承知しており、他方、私人とは、一般に、公人の対義語として用いられるものと承知している。その意味で「内閣総理大臣夫人」は、公人ではなく私人であると認識している」とされている。
 令和元年十一月二十日、衆議院内閣委員会で内閣官房内閣審議官は、内閣総理大臣主催で例年四月に開かれる桜を見る会について、「安倍事務所で幅広く参加希望者を募るプロセスの中で、夫人の推薦もあった」との旨発言した。
 桜を見る会には各国の大使、外交官も多く招かれていることから、社会通念上、ファーストレディ外交の一環として内閣総理大臣夫人が出席することは、むしろ望ましいと考えられるものの、その法的地位が曖昧なままであるとの疑念を持たざるを得ない。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 右の答弁書で示されている内閣総理大臣夫人は私人であるとの政府の認識は、現在も維持されているという理解でよいか。

二 安倍政権下においては、例年四月に開かれる桜を見る会に安倍総理の夫人も出席していたと承知しているが、同夫人は内閣総理大臣の配偶者として出席していたのであり、公人としての立場で出席していたのではないという理解でよいか。

三 前記二に関連し、安倍総理の夫人は内閣総理大臣の配偶者として、主催者である安倍総理からの要請を受け、桜を見る会に私人としての立場で出席していたという理解でよいか。

四 前記の内閣審議官の答弁にある「夫人の推薦」枠の人数は、平成三十一年四月の桜を見る会ではどの程度であったのか。政府の把握するところを示されたい。

五 内閣総理大臣夫人が私人であるとすれば、内閣総理大臣主催の桜を見る会における「夫人の推薦」枠は法律上、どのように位置づけられるのか。安倍総理の夫人が私人であり、公職にある人ではないのであれば、同夫人は桜を見る会の出席者について、推薦枠を持つ法的地位にないと解されるが、どのような法的根拠によって「夫人の推薦」枠が存在したのか。政府の見解如何。

  右質問する。