質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四六号

シベリア抑留者の遺骨取り違えの隠ぺい問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月三十日

鈴木 宗男   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   シベリア抑留者の遺骨取り違えの隠ぺい問題に関する質問主意書

 シベリア抑留者の遺骨を取り違えていた疑いを厚生労働省が隠ぺいしていた問題について、本年九月十八日十七時四十二分に配信されたNHK NEWS WEBの報道を踏まえ、質問する。

一 前記の報道には、「NHKが入手した議事録には厚生労働省の幹部が少なくとも十年前からロシア側に遺骨を返還する必要性を認識していたことが記されています」とある。このNHKの報道は事実であるか。

二 シベリア抑留者の遺骨取り違えの隠ぺい問題を受けて、本年九月下旬に予定されていた日本の遺骨調査団の派遣がロシア側の意向で中止になったことについて、厚生労働省の担当者が、「あの報道さえなければ、いや、せめてもう少し遅ければ、沿海の慰霊事業は復活していたことでしょう。非常に残念であり、無念です。いや、私の「無念」などより、抑留者の遠藤さんの思いは、いかばかりでありましょうか…。遠藤さんには、私の力及ばず、大変申し訳なく思います。どうぞ、よろしくお伝え下さい。以上、沿海地方における調査が中止となりましたこと、御報告申し上げます。関係の皆様には、本メールをそのまま転送していただいて構いません。」と関係団体にメールを送信したことは、事実であるか。

三 前記二のメールの送信が事実であるとするならば、メールを送信した者の官職、氏名を明らかにされたい。

四 政府の会議において、シベリア抑留者の遺骨を取り違えていた疑いについての議論が初めてなされたのは、いつか。

五 前記の報道によると、平成十九年の会議の議事録には、専門家から「(日本人と)違うのだから返すことになるんですよね」、「日本が外国人の遺骨を持ってきてしまっているのではないかということになると、そのままこちらで処理していいものとは思えない」などと指摘されたのに対し、厚生労働省の幹部が「恐ろしいんですよね」、「うれしくない発見です」、「これだけずらっとあるとギョッとする」、「最終的に残った遺骨をどうするのかの議論だがうちとしても正直ちょっと考えなくてはいけない」、「正直、すみませんというので向こうに持ち帰るというのはなかなか」などと説明した旨が記載されていたとされる。
 また、平成二十一年及び平成二十九年の会議の議事録には、厚生労働省の幹部がロシア側への遺骨の返還の必要性について言及した旨の記載が見られ、さらに、本年六月の会議の議事録にも、専門家が「現場から日本人ではないものを持ってきていることをみんな分かっているのに、これはやはりお返ししないといけないのではないかと。私はずっと考えてきたことなのでその点を考えてほしい」などと指摘した旨が記載されていたとされる。
 厚生労働省の関係者は十年以上前からシベリア抑留者の遺骨を取り違えていた疑いを認識しておきながら、なぜ、放置していたのか明らかにされたい。

  右質問する。