質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三八号

エアクッション型揚陸艇の災害への活用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月二十四日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   エアクッション型揚陸艇の災害への活用に関する質問主意書

 海上自衛隊は、現在六隻のエアクッション型揚陸艇(以下「LCAC」という。)を保有しており、大規模災害時には海上の艦艇から上陸し、そのまま陸上を走行することが可能である。これにより、通常の車両や船舶では近づけない場合でも、多くの被災者の迅速な救助と支援物資の輸送が可能となる。
 二〇一一年の東日本大震災時には、石巻港が使用不能であったため、輸送艦「おおすみ」に搭載されていたLCACにより、石巻の海岸に支援物資の輸送を行った事例や被災者を輸送艦に輸送し、入浴支援活動に活用された事例があり、これらはLCACの特殊性が生かされたものと承知している。
 しかしながら、現行の道路交通法や道路運送車両法などでは、LCACが公道を通行することあるいは公道を横切って海岸沿いの広場などへ走行することはできないと承知している。LCACの特殊性を存分に生かした災害派遣活動を実施するためには解決すべき現行法上の問題が存在する。
 右を踏まえて、以下質問する。

一 現在、LCACが公道を走行できないのは、どのような法令上の規制によるものであるのか。

二 LCACが長時間公道を走行するような災害派遣活動は想定されないものの、現行の法令では、海岸から公道を横切り、たとえば災害時の緊急避難場所になっている公共施設や広場まで到達することはできないという理解でよいか。

三 LCACが災害時に公道を通行することあるいは公道を横切って走行することができるようにするためには、法改正が必要であるのか。政府の見解如何。

四 海上自衛隊の持つ装備、たとえばLCACなどの持つ能力をあますことなく災害対策に投入できるように現行制度を改善すべきだと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。