質問主意書

第200回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二号

消費税率のあり方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年十月七日

熊谷 裕人   


       参議院議長 山東 昭子 殿



   消費税率のあり方に関する質問主意書

 令和元年十月二日、自由民主党の甘利明税制調査会長は、時事通信などのインタビューに応じ、十月一日から十%となった消費税率を今後さらに引き上げる可能性について、「十%の枠内で、できるだけ済む努力をしていくべきだ」と否定的見解を述べた。また、今回の消費税増税について、軽減税率やポイント還元などを挙げ、「場合によっては消費税増税後の方がお得だという感覚を出すことに注力した」と発言した。さらに、企業の内部留保が二〇一八年度末で約四百六十三兆円と過去最高を更新したことを踏まえ、内部留保や個人の貯蓄をイノベーションへの投資につなげる道筋を付けたい旨述べた。
 これらの甘利税調会長の発言を踏まえ、政府の見解を確認したいので、以下質問する。

一 前述の甘利税調会長による消費税率のさらなる引上げの可能性についての見解に関し、政府も同様な認識でいるのか。それとも将来的には十%を超える消費税率も排除されないという認識であるのか。政府の見解如何。

二 前記一の甘利税調会長の見解は、政府の政策に反映されているのか。されているとすれば、具体的にどのように反映されているのか、明らかにされたい。

三 甘利税調会長は、今回の消費税増税について、軽減税率やポイント還元などを挙げ、「場合によっては消費税増税後の方がお得だという感覚を出すことに注力した」と発言しているが、ポイント還元などの原資は元はといえば国庫からの支出であり、国民が血税で負担することには変わりはない。政府も、ポイント還元などが「消費税増税後の方がお得だという感覚」に結びついているという認識を共有しているのか。政府の見解如何。

四 甘利税調会長は、内部留保や個人の貯蓄をイノベーションへの投資につなげていくとの認識を示しているが、企業の内部留保の多くは、実際には企業の設備投資や有価証券の保有にあてられている場合が多く、それをイノベーションへの投資につなげていくことはできない場合が多い。政府は、企業の内部留保の使途を設備投資などからイノベーションへの投資に転化させることについて、消費税率を十%の枠内で維持するための方法として、実現可能かつ有効であると認識しているのか。政府の見解如何。

  右質問する。