質問主意書

第199回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質一九九第六号
  令和元年八月十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員熊谷裕人君提出公職選挙法上の期日前投票の解釈に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員熊谷裕人君提出公職選挙法上の期日前投票の解釈に関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 現行の選挙制度は、まず選挙の期日の公示又は告示の日に立候補の届出を認め、候補者が選挙運動を行って選挙人に投票を行うに当たっての情報を提供し、選挙の当日に選挙人が投票を行うことを原則としており、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百二十九条の規定により、選挙の期日においては原則として選挙運動をすることができないこととされており、同条の規定に違反して選挙運動をした者は、同法第二百三十九条第一項の規定により、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処することとされている。
 一方、同法第四十八条の二に規定する期日前投票は、選挙の当日に投票することが困難であると見込まれる選挙人に対して、投票の機会を与えるため、選挙の期日前に投票を行わせようとする例外的な投票方法であることから、期日前投票の期間中も、同法において許される態様において選挙運動をすることは可能である。

五について

 期日前投票は、選挙人の投票しやすい環境を整える上で重要であると考えており、平成十五年の制度創設以来、選挙人に広く活用されていると認識している。

六について

 「期日前投票が「選挙の当日」に投票できない者のために例外的に許されるものであるとする公職選挙法第四十八条の二の規定は、国民の積極的な選挙権行使を阻害するものであり、当該規定を見直すべきではないか」とのお尋ねについては、一から四までについてで述べた、選挙の期日の在り方等の選挙制度の根幹に関わる問題であり、各党各会派において御議論いただくべき事柄と考えている。