質問主意書

第198回国会(常会)

答弁書


答弁書第七五号

内閣参質一九八第七五号
  令和元年七月五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員青木愛君提出陸上自衛隊オスプレイの今後の取扱いに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員青木愛君提出陸上自衛隊オスプレイの今後の取扱いに関する再質問に対する答弁書

一について

 防衛省においては、垂直離着陸機V二二オスプレイ(以下「V二二」という。)の木更津駐屯地への暫定的な配備を行いたいとの考えを、木更津市及び同市の住民の方々に対して丁寧に説明する観点から、令和元年五月二十四日に木更津市長及び木更津市議会議長に対して説明した後、同年六月二十九日までに順次、同市畔戸地区、久津間住宅地区、中里一丁目地区、中里二丁目地区、久津間地区、吾妻地区、江川地区及び新宿地区の住民の方々を対象とした説明会をそれぞれの地区ごとに実施したところである。
 これらの説明会については、その開催に当たって、主催者である同市において、対象となるそれぞれの地区の住民の方々への周知が適切に実施されたものと認識している。
 防衛省としては、同市の住民の方々に対して丁寧に説明する観点から、同市とも相談しつつ、引き続き、同市の住民の方々への説明を行っていきたいと考えている。

二について

 木更津駐屯地に既に配備されている自衛隊の航空機を使用して実際に訓練を行う空域については、それぞれの航空機に係る訓練の内容等によっても異なるため、一概にお答えすることは困難である。
 その上で、木更津駐屯地への暫定的な配備を行った場合のV二二を使用して実際に訓練を行う空域については、訓練の具体的な内容等と併せて現在検討中であり、確たることをお答えする段階にはないが、いずれにせよ、防衛省としては、当該検討と並行して、木更津市以外の地方公共団体への対応の必要性について、千葉県とも相談しつつ、検討していきたいと考えている。

三について

 お尋ねの「等」としては、駐屯地又は基地内にV二二を十七機配置する地積があること、駐屯地又は基地に既に配備されている航空機の運用への影響を最小限にとどめることができること及び既存の格納庫等の施設が利用可能であり、V二二の運用基盤を整えやすいことを検討したものである。
 一方、お尋ねの「「その他の駐屯地及び基地」として検討された駐屯地及び基地の具体名」については、国の機関の内部における検討に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるものであること等から、お答えすることを差し控えたい。

四について

 他国の装備品の導入に関するお尋ねについては、その是非に係る当該他国の検討状況も含め、政府として確たることをお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、我が国においては、島嶼部に対する攻撃への我が国の対処能力等を向上させるため、陸上自衛隊において既に配備されているCH―四七輸送ヘリコプターの輸送能力を巡航速度や航続距離等の観点から補完し、及び強化し得るものとしてV二二を配備する必要があると考えている。

五について

 政府としては、四についてで述べた理由からV二二を配備する考えであり、その恒常的な配備先としては、V二二による輸送の対象となるものと想定している水陸機動団が所在する相浦駐屯地から近いこと、V二二の運用に必要な滑走路長を有すること等の理由から、佐賀空港が最も適していると考えているところである。
 木更津駐屯地への暫定的な配備を行った場合のV二二の同駐屯地から相浦駐屯地までの飛行に要する時間については、飛行経路や天候等の諸条件によって異なるものの、V二二の速度及び木更津駐屯地から相浦駐屯地までの距離を基に単純に計算すると、おおむね二時間となると考えているが、政府としては、V二二の木更津駐屯地への配備はあくまで暫定的なものであり、引き続き、佐賀空港への早期配備に向けた取組を着実に進めていきたいと考えている。

六について

 政府としては、五についてで述べたとおり、V二二の恒常的な配備先としては佐賀空港が最も適していると考えており、御指摘のようにV二二を九州に所在する無人島に配備することは、V二二の運用基盤を整えることが現実的ではないことから、考えていない。