質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第五四号

オープンイノベーションと未来投資の促進・加速による我が国産業界の成長の後押しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年五月十三日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   オープンイノベーションと未来投資の促進・加速による我が国産業界の成長の後押しに関する質問主意書

 各国で競い合うように実用化を推進しているIoT、AI、ロボティクス、5G、量子コンピューティング等の革新的技術や、それらを利活用したビジネスモデルの創造には、異業種・異分野の人材や技術、データ等を幅広く融合させる、いわゆる「オープンイノベーション」が成功の鍵を握ると言われている。しかし、世界の一部では、データ争奪戦で他国を利さないとの観点から、自国内にデータ等を囲い込む「データローカライゼーション」等の国内規制に走ったり、自国の規格等をとにかく国際標準にしようとする、狭量な主導権争いの芽が出始めている。こうした国際社会の動向の中、我が国としては、オープンイノベーションを広く呼びかけ、国内外で促進・推進すると同時に、我が国産業界の成長を後押しするために、人と社会の未来を見据えた先行投資、いわゆる「未来投資」を促進し、加速させる必要がある。加えて、世界各国と連携し、その経済成長を取り込むことも重要であり、中でも、著しい成長が見込まれる新興国や地域等との経済連携や、我が国が保有する社会インフラ等の技術輸出等をより一層積極的に推進する必要があると考え、以下のとおり質問する。

一 オープンイノベーション等の国内外における促進・推進、国際標準の策定における適切な主導権の確保、革新的技術の実用化や新ビジネスモデルの創出に資する国内体制の整備をより一層加速するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 世界に先駆けてイノベーションを生み出す研究開発やその土壌をつくるための設備投資の促進、また、知的財産の有効活用等を含め、我が国産業界の持続可能な発展に向けた未来投資をより一層強力に促進するべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

三 世界各国との経済連携や社会インフラ技術の輸出促進等、激化するグローバル競争に我が国産業界が勝ち抜くための環境整備をより一層強力に後押しするべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。