質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第五〇号

子どもたち全員が健やかに育ち、公平に学べる社会の構築に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和元年五月八日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   子どもたち全員が健やかに育ち、公平に学べる社会の構築に関する質問主意書

 我が国の将来を担う子どもたちに、希望ある社会のバトンを渡すことは、大人世代の重大な責務である。しかし、昨今の子どもたちを取り巻く環境は、「待機児童」、「児童虐待」、「子どもの貧困」等、厳しい状況が続いている。教育への公的支出についても、昨年に公表されたOECDの調査報告によると、国内総生産に占める小学校から大学までの教育機関に対する公的支出の割合が、我が国はわずか二・九パーセントと、比較可能な三十四か国の中で最下位となっている。このような極めて嘆かわしい現状の抜本的な改善に向けて、子どもたち全員が健やかに育ち、公平に学べる社会の構築を国全体で強力にバックアップするため、政府は十分な財源の確保等を含め、総合的な支援体制を確立することが強く求められていると考え、以下のとおり質問する。

一 保育所や放課後児童クラブ等のより一層の整備に向けた支援の強化等が必要と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 国際的に低い教育に対する公的支出割合の大幅なアップや高校授業料の完全無償化、高等教育の学費低額化、給付型奨学金の拡充等が不可欠と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

三 児童虐待の防止・根絶に向けて、児童相談所においては専門職の増員等の抜本的な体制強化を実行し、また、小中学校においては少人数学級や学校内相談体制をより一層拡充・推進するとともに、いじめ等の防止・根絶にもより一層積極的に取組む必要があると考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

四 義務教育における学校給食の完全実施と無償化の実現、また、NPO等が各地で行っている「子ども食堂」や「フードバンク」等の取組みを強力に後押しし、子どもの食のセーフティネットと食育をより一層積極的に推進する必要があると考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。