質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第三〇号

コネクテッド・インダストリーズ税制の連結法人への適用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年四月八日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   コネクテッド・インダストリーズ税制の連結法人への適用に関する質問主意書

 昨年度より導入されたコネクテッド・インダストリーズ税制は、一定のサイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により、生産性を向上させる取組について、それに必要となるシステムや、センサー・ロボット等の導入に対して、特別償却三十パーセント又は税額控除三パーセント(賃上げを伴う場合は五パーセント)を措置する制度であり、近年、急速な技術革新により産業構造や国際的な競争条件が著しく変化する中、我が国における生産性向上と産業競争力強化の実現に資する、極めて効果的な税制であるとして、ものづくり産業を中心にその評価が高い。しかし、特に企業による利用率の高い税額控除の措置に関しては、連結法人全体としてではなく、あくまで個社単位で控除可否の判断がなされるため、企業グループ全体では税金が発生している場合でも、投資を実施した傘下の子会社に税金が発生していないとき、すなわち、子会社の所得がマイナスで法人税の支払いが無いときは減税の恩恵を受けることができず残念だ、との声を聞く機会が少なくない。
 そもそもコネクテッド・インダストリーズ税制は、「業種・資本金規模を問わず幅広く適用できます」、「IoT・設備投資のチャンスです」などとパンフレット等で謳われているように、我が国のものづくり産業全般における生産性向上や産業競争力強化等を目指したもので、企業グループ全体の合理化投資の観点から、親会社が投資の意思決定を行い、その投資実態が子会社にあるような状況下であっても、企業グループ全体で減税の恩恵を受けられる制度である方が、その目的により適っていると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。