質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第二五号

「拉致」の定義等に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年三月二十日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   「拉致」の定義等に関する再質問主意書

 私が、平成三十一年一月二十八日付けで提出した「「拉致」の定義等に関する質問主意書」(第百九十八回国会質問第二号)に対する政府答弁書(内閣参質一九八第二号。以下「先の答弁書」とする)を踏まえ、再度、質問いたします。

一 政府は、先の答弁書において、「拉致とは、北朝鮮当局により、日本国内外において、本人の意思に反して行われた、主として所在国外移送目的略取及び誘拐(刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百二十六条)その他の刑法上の略取及び誘拐に相当する行為をいう」としています。
 政府は、平成十四年十月十五日に帰国した五人の拉致被害者に対し、先の答弁書において述べた行為の関係者として事情聴取をされましたか。また、その後帰国された五人の拉致被害者のご家族に対しても事情聴取をされましたか。

二 平成二十五年一月二十五日拉致問題対策本部決定の「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」(以下「この方針」とする)には「全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くす」とあります。
 今後、新たに拉致被害者が帰国した場合、政府は、前記一の行為の関係者として事情聴取されますか。

三 この方針には、「拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡しを引き続き追求していく」とあります。拉致に関する真相究明には、帰国した拉致被害者からの事情聴取は不可避であると考えるものですが、この点について政府の見解をお伺いします。

四 この方針には、「拉致被害者としての認定の有無にかかわらず」とあります。政府は、日本への帰国を希望せず北朝鮮へ引き続き留まりたい旨を表明した拉致被害者に対して、前記一の行為の関係者として、拉致に関する真相究明のために事情聴取はされないのですか。

五 この方針にある「全ての拉致被害者」は、可能性としていうならば、残念ながら全員が生存しているとは限りません。この場合、死亡が判明した拉致被害者の家族及び親族が、北朝鮮を相手取って損害賠償請求を行うことは可能ですか。
 あるいは、死亡が判明した拉致被害者の家族及び親族が、国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)等により政府を相手取って損害賠償請求を行うことは可能ですか。

  右質問する。