質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

日本海沿岸部に漂着する船舶に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年一月二十八日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   日本海沿岸部に漂着する船舶に関する質問主意書

 日本海沿岸部に漂着している船舶及びその乗組員に関して質問いたします。

一 私は、朝鮮半島からのものと思われる漂流・漂着木造船等(以下「漂着船等」とする)について第百九十六回国会質問第二号で質問しました。
 そこでお訊ねしますが、平成十四年度から平成二十九年度までの漂着船等について、年度別に隻数及びその漂着した地方自治体ごとの内訳をそれぞれ明らかにしてください。併せて漂着船等の国籍と国籍ごとの隻数もそれぞれ明らかにしてください。

二 漂着船等のうち北朝鮮籍の漁船は何隻だったか、また、北朝鮮の工作船と推定される船は何隻だったかをそれぞれ明らかにしてください。

三 前記一に関し、漂着船等が漂着した地方自治体には何か共通した特徴が認められますか、認められるとすればそれは何ですか、お答えください。

四 漂着船等の乗組員のうち、漂着時に生存していた者、すでに死亡していた者はそれぞれ何名いましたか。また、生存者及び死亡者のその後の取扱いはどうなるのか、その手順を生存者、死亡者それぞれについて、お示しください。

五 漂着船等の船体に記された番号から、何処の港から出てきた船で、何処の所属であるかについての調査はできていますか。できていればその調査結果をお示しください。

六 日本に漂着した遭難者のうち、本国への送還を希望する者、本国からの離脱を希望する者のそれぞれの人数は確認できていますか。また、本国からの離脱を希望した者の定住希望先として、具体的に何処が挙げられていますか。それぞれお答えください。

七 日本に漂着した者の中に日本への定住希望者がいる場合の対応方針は策定していますか。「仮定の問題」ではなく、政府が対応方針を策定しているかどうかをお答えください。策定しているならば、どういう内容なのかをお示しください。

八 前記四に関し、生存者及び死亡者のその後の取扱いに係る費用や、漂着船等の処分に係る費用は誰が負担するのですか。また、国籍が判明した生存者及び死亡者のその後の取扱いに係る費用や、国籍が判明した漂着船等の処分に係る費用を、政府は当該国籍国に請求しているのですか。それぞれの対応をお示しください。

九 漂着船等が漂着した地方自治体及び都道府県警の人的負担、財政的負担は大変なものがあると想像します。政府における、これら地方自治体及び都道府県警への支援体制について教えてください。また、漂着船等への対応マニュアルはすでに存在しているのですか。存在しているならば、どういう内容なのか具体的にお示しください。

十 漂着船等の乗組員が日本に上陸した場合、どのような感染症対策が取られてきたのですか。対応した医療通訳者の人数とともにお示しください。

十一 政府において、漂着船等への対応を担当する部局は何処ですか。また、漂着船等が漂着した地方自治体及び都道府県警が得た情報は、政府のどの部局に集約されていくのですか。それぞれお示しください。

十二 政府は、漂着船等の乗組員のうち、無断で日本に上陸し、そのまま日本に潜入している者が存在しているかどうかを確認していますか。政府の認識をお示しください。

十三 北朝鮮による日本人拉致事件の中には、北朝鮮の工作船により日本に上陸した工作員によって引き起こされた事案が存在します。政府は、漂着船等は、北朝鮮による拉致及びテロ等の工作活動と関係しているとの認識はお持ちですか。

十四 漂着船等について国民は漠然とした不安と脅威を抱いていると察するものですが、政府はどのような対応策をとってきましたか、具体的にお示しください。

十五 北朝鮮による日本人拉致事件が拡大した原因のひとつに、北朝鮮による拉致行為について、警察を含む政府が国民に対して十分な説明を行うことなく、危険を予防しなかったことが挙げられます。漂着船等について、警察を含む政府は国民にどのように周知してきましたか。現在の取組とともにお示しください。

  右質問する。