質問主意書

第198回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

拉致問題対策本部の活動状況と役割に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十一年一月二十八日

有田 芳生   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   拉致問題対策本部の活動状況と役割に関する質問主意書

 内閣に設置されている拉致問題対策本部(以下「本部」とする)について、本部が拉致問題の解決にいかに寄与するのか等、本部の活動状況と役割について、本部ホームページを参考に質問します。

一 平成二十五年一月二十五日に閣議決定された「拉致問題対策本部の設置について」には、「1 拉致問題に関する対応を協議し、同問題の解決のための戦略的取組及び総合的対策を推進するため、内閣に拉致問題対策本部(中略)を設置する」とあります。これが本部設置の目的と理解してよろしいですか。

二 前記一に関し、「同問題の解決のための戦略的取組」とはどのような取組なのか、具体的に明らかにしてください。また、「総合的対策を推進するため」とはどのような対策を推進するのか、具体的に明らかにしてください。

三 安倍内閣は、平成二十五年一月二十五日に現在の本部が発足して以降、累次にわたり「拉致問題は、内閣の最重要課題にして最優先課題である」旨公言しています。ところが、本部ホームページによりますと、本部会合は、平成二十五年一月二十五日、平成二十六年八月五日、平成二十六年十一月二十八日の三回しか開かれていません。平成二十六年十一月二十八日以降、本部会合が開かれていない理由を明らかにしてください。

四 前記三に関し、第三回会合が開かれた平成二十六年十一月二十八日からすでに四年が経過しています。これでは、安倍内閣が「拉致問題は、内閣の最重要課題にして最優先課題である」旨いくら公言しても、国民は半信半疑となります。四年以上も本部会合を開かない理由は何ですか。政府の見解を明らかにしてください。

五 初代の本部は、平成十八年九月二十九日に内閣に設置されました。平成十八年十月十六日に開催された第一回会合では、「拉致問題における今後の対応方針」を策定しています。同方針の役割及び内容は、その後の内閣によって変更されましたか。変更があったならば、どの内閣のときに、いかなる認識の下に変更の判断が下されたのですか。

六 福田康夫内閣のとき、本部会合は開催されましたか。開催されていないならば、その理由は何ですか。当時の政府の認識をお示しください。

七 平成十八年に初代の本部が設置されてからの予算額とその執行状況について、本部内のそれぞれの部署ごとにお示しください。

八 日朝平壌宣言、ストックホルム合意及び北朝鮮に関する日本政府の方針については、日朝両国間の外交関係全般に係る事項であることから、外交を所管する外務省が担当しているものと認識してよろしいですか。

九 本部は北朝鮮当局と直接交渉する権限を与えられているのですか。与えられているならば、担当部署はどこですか。また、本部がこれまで北朝鮮当局と接触してきたならば、その回数をお示しください。

十 安倍総理は、しばしば「あらゆるルート」で北朝鮮当局と接触していると発言してきました。北朝鮮当局と接触するとき、本部、官邸、外務省の三者間において連携を取っているのですか。また、内閣の中に北朝鮮当局との接触ルートが複数存在することは拉致問題解決にとって有効と政府はお考えですか。具体論ではなく、一般論としてお示しください。

  右質問する。