質問主意書

第197回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六三号

内閣参質一九七第六三号
  平成三十年十二月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出ひきこもりへの対応策を巡る諸課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出ひきこもりへの対応策を巡る諸課題に関する質問に対する答弁書

一の1の前段について

 お尋ねの「年間合計何件ほどのひきこもりへの支援を行っているのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、全国のひきこもり地域支援センターにおける平成二十八年度の相談件数は、延べ約九万千件となっている。

一の1の後段について

 お尋ねの「キャパシティの概数」については、ひきこもり地域支援センターにおける個々の相談に要する時間が様々であること等から、一概にお答えすることは困難である。

一の2について

 お尋ねの「全国における同センターの整備密度」の意味するところが必ずしも明らかではないが、ひきこもり地域支援センターについては、平成二十一年度から全国の都道府県及び指定都市が順次設置を開始し、平成三十年度に全ての都道府県及び指定都市に設置されたところである。さらに、厚生労働省においては、「生活困窮者自立支援制度とひきこもり地域支援センター等との連携について」(平成二十八年六月三十日付け社援地発〇六三〇第一号厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知)において、「自立相談支援機関とセンターとの連携体制の構築」等について各都道府県及び市町村に対して助言しており、生活困窮者自立支援制度との連携の強化により、より住民に身近な市町村においても、ひきこもりの状態にある者に対して支援を行えるよう、体制の整備に取り組んでいるところである。

二について

 お尋ねの「ひきこもり支援従事者養成研修」については、平成三十年度から開始した事業であり、その養成状況について現時点では把握していない。
 「ひきこもりサポーター養成研修」に関するお尋ねについては、「現在の活動人数等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成二十八年度においては、全国で四百二十九人のひきこもりサポーターが養成されている。また、「ひきこもりサポーターの活動人数が足りているかどうか」とのお尋ねについては、ひきこもりサポーターによる支援は、ひきこもりの状態にある者の希望を踏まえて実施されるものであって、ひきこもりの状態にある者の置かれた状況は様々であることから一概にお答えすることは困難であるが、ひきこもりの状態にある者に対する支援の基盤を強化する観点から、各都道府県及び市町村に対して「ひきこもり支援従事者養成研修」及び「ひきこもりサポーター養成研修」の実施の必要性について周知を図っているところである。

三について

 お尋ねについては、文部科学省において、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(平成二十八年九月十四日付け二十八文科初第七百七十号文部科学省初等中等教育局長通知)を発出して、各都道府県教育委員会等に対し、「不登校児童生徒への効果的な支援については、学校及び教育支援センターなどの関係機関を中心として組織的・計画的に実施することが重要であり、また、個々の児童生徒ごとに不登校になったきっかけや継続理由を的確に把握・・・することが重要であること。(中略)これらの情報は関係者間で共有されて初めて支援の効果が期待できるものであり、必要に応じて、教育支援センター、医療機関、児童相談所等、関係者間での情報共有、小・中・高等学校間、転校先等との引継ぎが有効である」ことや、中学校卒業後の支援として、「中学校時に不登校であり、中学校卒業後に進学も就労もしていない者、高等学校へ進学したものの学校に通えない者、中途退学した者等に対しては、多様な進学や職業訓練等の機会等について相談できる窓口や社会的自立を支援するための受皿が必要であること。また、関係行政機関等が連携したり、情報提供を行うなど、社会とのつながりを絶やさないための適切な対応が必要であること」等を示し、不登校児童生徒への支援の充実に一層努めるよう求めているところである。
 政府としては、今後とも、同省において、様々な機会を捉え、同通知の周知徹底に努めてまいりたい。