質問主意書

第197回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六五号

「新たな住宅セーフティネット制度」の施行状況に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年十二月十日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   「新たな住宅セーフティネット制度」の施行状況に関する質問主意書

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)の一部を改正する法律(平成二十九年四月二十六日公布、同年十月二十五日施行)に基づき、「新たな住宅セーフティネット制度」が平成二十九年からスタートしている。
 この「新たな住宅セーフティネット制度」について、以下の通り質問する。

一 新たな住宅セーフティネット制度の内容の一つとして「住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度」があり、登録住宅の改修・入居者への経済的支援として、登録住宅の改修に対する支援措置や、低額所得者の入居負担軽減のための支援措置が定められている。

1 住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度の対象として、現在登録済みの賃貸住宅は何件であるか。
2 住宅確保要配慮者向けに十分な住宅供給を行うためには、全体でどの程度の住宅の登録が必要だと考えているか。
3 住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度の対象として登録済みの物件は「住宅確保要配慮者を敬遠せず」、「入居を拒まない」とされている。現実に、住宅確保困難者が入居を拒まれたケースは生じていないのか。

二 住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進等を図るため、地方公共団体、不動産関係団体、居住支援団体等が連携し、設立されたのが「住宅確保要配慮者居住支援協議会」(以下「支援協議会」という。)である。
 支援協議会について、平成三十年十月一日時点で七十三の支援協議会が設立済みとされているが、肝心の基本自治体は、二十六区市町に過ぎない。
 基本自治体における支援協議会の設立が低調な理由を、政府はどのように分析しているか。また、それに対する今後の改善策を政府はどのように考えているか。

三 住宅確保要配慮者居住支援法人(以下「居住支援法人」という。)とは、住宅セーフティネット法に基づき、居住支援を行う法人として、都道府県が指定するものである。

1 居住支援法人は、住宅行政と福祉行政との連携の実働面の担い手となる重要な存在であり、平成三十年十月十二日時点で三十三都道府県百四十七法人に指定されている。この指定数に関し、政府の見解を明らかにされたい。
2 居住支援法人への支援措置も設けられており、平成三十年度予算において、重層的住宅セーフティネット構築支援事業(六・五億円)の内数としての予算立てが行われている。福祉との連携の実効化のためには、より手厚い予算措置が必要ではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
3 政府からの居住支援法人に対する支援は、要保護予算措置による支援であり、恒久的措置ではない。サービスの受け手となる住宅確保要配慮者からの収入も見込んでいるとの説明を受けたが、低収入であることが多いこれらの対象者からの収入で運営費用を捻出するのは困難である。政府からの支援を恒久的措置として、居住支援法人が長期的な取組として要配慮者の支援に当たれるようにすべきではないか。政府の見解を示されたい。

  右質問する。