質問主意書

第197回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二九号

乳幼児の虐待防止のための助産師の活用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年十一月二十二日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   乳幼児の虐待防止のための助産師の活用に関する質問主意書

 助産師は、母子保健に関し妊娠から産後ケアまで切れ目のない支援を行い、母子間の心理的な関係性の構築にも深く関与する医療職である。その意味では、乳幼児の虐待のシグナルを早期に発見できる可能性も秘めており、その経験を乳幼児の虐待防止に活用することが期待される。
 そこで助産師の活用について、以下に政府の見解を求める。

一 市町村が実施する産後ケア事業に助産師を積極的に活用することについて、政府の見解を明らかにされたい。

二 市町村による産後ケア事業の実施については、市町村ごとに助産師の活用の度合いに大きな差があると聞くところである。政府は、市町村ごとに産後ケア事業における助産師の活用の度合いに大きな差があることに加え、そもそも産後ケア事業を実施している市町村が全国で二十六%にとどまることを把握しているか。把握しているのであれば、市町村による産後ケア事業の実施が低調に推移している理由についても併せて明らかにされたい。

三 乳幼児の虐待予防等のための効果的な施策として、産後二週間等の産後間もない時期における産婦健康診査が重要であると指摘されている。しかし、こうした産後直後の産婦健康診査を実施する分娩取扱い施設の数は十分とは言えず、また、産婦健康診査を実施している市町村も平成二十九年度において全国で五%に満たない旨を公益社団法人日本看護協会が指摘している。産婦健康診査の有用性を一般に広く認知させ、全国的な実施につなげるため政府としてどのような施策を実施し、あるいは実施する予定であるのか明らかにされたい。

四 政府が全国展開を推進する「子育て世代包括支援センター」においても、妊産婦や乳幼児等に対して切れ目のない支援を提供することにより、育児不安や乳幼児の虐待を予防するため、助産師を活用する取り組みがなされていると理解するところである。一方で、同センターは仕事を持つ母親が利用しにくく、設置したとしても活用されないのではないかという声もあがっていると聞く。政府は、同センターの活用推進のためにどのような施策を検討しているのか、明らかにされたい。

  右質問する。