質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第二二〇号

内閣参質一九六第二二〇号
  平成三十年七月三十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員紙智子君提出黒星病に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出黒星病に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの黒星病については、近年、青森県においてリンゴ黒星病が多発していると認識しているが、これは、これまで同病の防除のために使用されてきた殺菌剤(以下「従来の殺菌剤」という。)に対する耐性菌の出現が主な要因であると考えている。

二について

 青森県におけるリンゴ黒星病の感染源の除去及び防除対策については、同県において、従来の殺菌剤とは異なる殺菌剤の適時の散布及び落葉処理の徹底を図っていると承知している。また、農林水産省においては、植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)に基づく発生予察事業により、同病に関する発生予察情報を関係者に提供し適切な防除を呼びかけるとともに、従来の殺菌剤を使用しない新たな防除体系の評価と検証を国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構を中心とするコンソーシアムに委託して行っているところである。

三について

 お尋ねの黒星病によるものを含め、果実の減収又は品質の低下を伴う病虫害によって生じた損害については、農業保険法(昭和二十二年法律第百八十五号)に基づく果樹共済の収穫共済の共済金の支払の対象とされている。

四について

 一についてで述べた耐性菌によるリンゴ黒星病に有効な新たな殺菌剤については、現時点では、政府として研究体制を強化することは検討していないが、青森県と民間企業が農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)に基づく農薬の登録申請を行うための試験を共同で行っていると承知しており、当該殺菌剤の登録申請があった場合には、農林水産省において迅速に審査を行いたいと考えている。