質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九四号

内閣参質一九六第一九四号
  平成三十年七月二十七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員藤末健三君提出児童虐待防止対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出児童虐待防止対策に関する質問に対する答弁書

一について

 児童相談所が通告や相談により把握した全ての事案の情報を児童相談所と警察との間で共有することについては、児童虐待を受けている児童等やその家族の環境を捜査機関である警察に知られることに拒否感が強い保護者等もいることから、児童虐待に関する相談対応に必要な当該保護者等との信頼関係の醸成の妨げとなる可能性があるとの指摘もあり、児童相談所が通告や相談により把握した全ての事案の情報を児童相談所と警察との間で共有している自治体の取組も踏まえながら、今後、対応を検討していく必要があると考えている。
 なお、児童の安全が脅かされている事案や児童の安全が確認できない事案等については、早急に当該児童の安全を確保するため、迅速かつ適切に警察と情報共有を行う必要がある。
 このため、「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」(平成三十年七月二十日児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議決定)に基づき、「虐待による外傷、ネグレクト、性的虐待があると考えられる事案等に関する情報」や、「通告受理後、子どもと面会ができず、四十八時間以内に児童相談所や関係機関において安全確認ができない事案に関する情報」等については、「児童相談所と警察との間で共有することを明確化し、全国ルールとして徹底する」旨、関係自治体に対して通知したところである。

二について

 児童虐待を受けている児童等の早期発見や適切な保護を図るためには、要保護児童対策地域協議会(以下「協議会」という。)において、当該児童等やその家族に関する情報交換や支援の内容に関する協議を行い、適切な連携の下で関係機関が対応していくことが重要である。
 また、「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」において、市町村における相談支援体制の強化等を目的とした児童虐待防止対策体制総合強化プランを年内に策定すること、当該プランに協議会の調整機関の職員の配置への支援を盛り込むこと、関係機関におけるより効率的な情報共有を進めるため、ICTを活用したシステム整備を促進すること等とされており、これらを推進していくこととしている。

三について

 お尋ねの事案については、現在、厚生労働省において、専門家による検証を行っているところであることから、お答えは差し控えたい。