質問主意書

第196回国会(常会)

答弁書


答弁書第六九号

内閣参質一九六第六九号
  平成三十年四月二十日

内閣総理大臣臨時代理        
国務大臣 菅 義偉   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員川田龍平君提出国連人権対日審査の勧告に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出国連人権対日審査の勧告に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、我が国は御指摘の「国内避難民に関する指導原則」の趣旨を尊重しており、政府として適切に対応してまいりたい。

二及び三について

 お尋ねの「自主避難者への住宅支援」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、福島の復興及び再生の円滑かつ迅速な推進を図るため、住民の帰還促進や生活の再構築等に向けた財政上の措置を講じてきているところであり、福島県が、当該財政上の措置等を活用しつつ、同県の状況に即した具体的な支援策を実施してきているものと承知している。また、政府としては、新たな生活への円滑な移行のための相談支援をはじめとして、被災者がいずれの地域においても安心して生活を営むことができるよう、定住支援に重点を置きつつ、地方創生分野の取組など各施策も活用しながら、引き続き必要な支援を行っていくこととしている。
 なお、お尋ねの「実態調査」の意味するところが必ずしも明らかではないが、同県においては、平成二十九年三月末に災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)に基づく応急仮設住宅の供与が終了する世帯を対象として、帰還及び生活再建に向けた住宅の確保状況及び意向等の把握を目的とした「住まいに関する意向調査」及び戸別訪問を実施したと承知している。

四、五及び七について

 福島県の県民健康調査(平成二十五年度以前は県民健康管理調査。以下同じ。)については、福島県「県民健康調査」検討委員会(平成二十五年度以前は福島県「県民健康管理調査」検討委員会)の意見を踏まえて実施されていると承知しており、政府としては、同委員会の議論を注視してまいりたい。

六について

 福島県の県民健康調査は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散や避難等を踏まえ、同県民の被ばく線量の評価を行うとともに、同県民の健康状態を把握し、疾病の予防、早期発見、早期治療につなげ、もって、将来にわたる同県民の健康の維持、増進を図ることを目的として実施されていると承知している。

八について

 御指摘の研究のみでは、必ずしも、御指摘のように「放射線が年間百ミリシーベルト以下でも、がんの過剰リスクは直線的に増加する」と結論付けることに十分な科学的知見が得られているとは認識していないが、いずれにせよ、被ばくによる健康リスクについては、国際放射線防護委員会の平成十九年の勧告等において、放射線による人体への影響について、疫学的な研究では、百ミリシーベルトより高い線量ではがんのリスクの可能性が高くなるとされるが、およそ百ミリシーベルトまでの線量ではがんのリスクが高まることは明らかにされていないとしており、御指摘の吉野復興大臣の発言も、このような認識の下で行われたものである。