質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一六五号

辺野古新基地建設海域における大型サンゴの移植に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年七月六日

糸数 慶子   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   辺野古新基地建設海域における大型サンゴの移植に関する質問主意書

 米軍の新基地建設が進められている名護市辺野古の埋立て予定海域内(以下「埋立て予定海域内」という。)に、二つの大型サンゴの群体が存在する可能性が高いことが航空写真で判明したと本年六月十六日付の朝日新聞の「辺野古に大型サンゴか 上空撮影で判明 埋め立て予定海域」と題する記事(以下「朝日記事」という。)で報じられた。しかしながら、沖縄防衛局は、埋立て予定海域内に「(移植の)対象となる大型サンゴは確認されていない」としている。辺野古崎付近ではこれまでも大型サンゴの生息が指摘されており、環境問題の専門家は「国の調査のずさんさが明らかになった」と批判している。
 日本政府は、沖縄県民の民意に反して辺野古新基地建設を強行し、本年八月にも土砂の投入による埋立てを始めるとしている。しかし、辺野古海域においてはジュゴン、ウミガメ、サンゴ等の海生生物の保護対策が万全ではなく、特に大型サンゴの生息状況の調査やその移植に関しては問題点がいくつも指摘されているので、以下、質問する。

一 埋立て予定海域内におけるサンゴの保全及び移植に対する政府の取組方針を示されたい。あわせて、埋立て予定海域内におけるサンゴを保全及び移植する必要性を判断するための基準とその根拠を示されたい。

二 朝日記事の航空写真に見られる二つの大型サンゴの群体について、埋立て予定海域内からの移植を含む保護対策を実施する必要性はないか、政府の見解を示されたい。

三 埋立て予定海域内におけるサンゴの生息状況に関する政府の調査のずさんさが一部の専門家から指摘されているが、この指摘に対する政府の見解を示されたい。

四 本年六月十九日の参議院外交防衛委員会において、防衛省は、同省においてこれまでに実施した調査では、N三護岸付近の海域には移植対象となるサンゴ類は確認されていない旨答弁しているが、政府が実施した埋立て予定海域内におけるサンゴの生息状況に関する調査について、当該調査の日時、調査地点、調査方法及び結果等をそれぞれ明らかにされたい。

五 埋立て予定海域内で二つの大型サンゴの群体が生息している可能性が指摘された以上、政府はこれら二つの大型サンゴの群体を含め、当該海域における移植対象となるサンゴ類を再調査する必要があると考える。当該再調査は既に行ったか、あるいは行う予定があるか、明らかにされたい。当該再調査を行う予定がない場合、その理由を示されたい。

  右質問する。