質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一一九号

法律の実施に必要な事項の省令への包括委任規定に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年五月二十九日

吉川 沙織   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   法律の実施に必要な事項の省令への包括委任規定に関する再質問主意書

 「参議院議員吉川沙織君提出法律の実施に必要な事項の省令への包括委任規定に関する質問に対する答弁書」(内閣参質一九六第一〇六号)は、「包括委任規定」について、条文の文言や内閣が今国会に提出した法律案を具体的に示した上で質問したにもかかわらず、「意味するところが明らかではない」とされた。そこで、改めて質問する。

一 内閣が今国会に提出した法律案のうち、「この法律に定める(又は「規定する」)もののほか(又は「外」)、この法律の実施のため(に)必要な事項は、命令で定める」、「この法律に定める(又は「規定する」)もののほか(又は「外」)、この法律を実施するため(に)必要な事項は、命令で定める」、「この法律に定める(又は「規定する」)もののほか(又は「外」)、この法律の実施(又は「施行」)に関し必要な事項は、命令で定める」又は「この法律に定める(又は「規定する」)もののほか(又は「外」)、この法律(又は「節」)の規定の実施に関し必要な事項は、命令で定める」との規定を設けようとするもの及びこれらの規定の文言と一致はしないが同旨の規定を設けようとするものの件名及び当該規定の条文番号を全て挙げられたい。この場合の「命令」には、政令、内閣府令、「総務省令」のような個別の省令及び共同府省令を含めるものとする。

二 過去五年間の常会において、内閣が国会に提出した法律案のうち、前記一の規定を設けようとするものの件数を常会別に示されたい。

三 前記一の規定を設ける法律の制定や法改正が行われた件数を、その年代別(昭和二十二年から昭和六十四年、平成元年から平成十五年、平成十六年以降)及び命令の法形式(政令、府省令(共同府省令を含む。))別に示されたい。

四 前記三のうち、府省令で定める旨の規定を設けるものの件数は、平成十年代後半以降急増している。その多くは閣法が占めると思われるが、急増した理由を明らかにされたい。

五 政府は、前記答弁書において、「実施命令において規定することができる事項は(中略)、法律等を実施し、又は施行するため必要な細目的事項に限られる」としているが、前記一の規定のような文言では、実際に設けられる「命令」が「細目的事項に限られる」のかどうかは、必ずしも明らかではない。そこで、個別の法律に実施命令の根拠規定を設けるに当たっては、委任する事項を具体的に明示することにより、細目的事項を「命令」に委任するものであるとの趣旨を明確にした文言とするべきではないか。

六 前記一の規定を根拠とする「命令」において、実質的に国民の権利を制限したり、国民に義務を課したりすることとなるような事項を定めることはありえるか。ありえないならば、その旨を明言されたい。

  右質問する。