質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第七五号

防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年四月十三日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律等に関する質問主意書

 第百九十六回国会で成立した「防衛省設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律」(以下「本法律」という。)では、予備自衛官又は即応予備自衛官が、防衛出動、国民保護等派遣、災害派遣等に招集されたこと等により平素の勤務先を離れざるを得なくなった場合、その職務に対する理解と協力の確保に資するための給付金である「雇用企業協力確保給付金」を使用者(雇用主)に支給する制度を新設することとしている。
 この内容に関連し、以下の通り質問する。

一 予備自衛官の充足率は平成十年度の百%をピークに、近年は七割を切った割合で推移している。即応予備自衛官の充足率は、平成十四年度以降低下傾向にあり、平成二十八年度には五十四・五%まで下がり、予備自衛官・即応予備自衛官ともに、員数と現員が大きく乖離している状況にある。
 このような状況に対して当局もこれまで無策だったわけではなく、「予備自衛官等の充足向上等のための施策」として様々な手を打ってきてはいる。例えば、即応予備自衛官雇用企業給付金制度、防衛省発注建設工事に係る入札加点、予備自衛官等協力事業所表示制度、予備自衛官等である者の使用者に対する情報の提供制度が挙げられる。
 しかし、これだけの施策を講じているにもかかわらず、予備自衛官及び即応予備自衛官の充足率は低いままである。
 これらの「予備自衛官等の充足向上等のための施策」として実施してきた施策の効果を政府はどのように分析しているのか、施策ごとに改善点とともに明らかにされたい。

二 今回の雇用企業協力確保給付金の新設により、予備自衛官及び即応予備自衛官の充足率の改善にどの程度のインセンティブ効果が出ることを想定しているのか明らかにされたい。

三 予備自衛官及び即応予備自衛官の募集採用にあたっては、精強性を維持する観点も必要である。つまり、若年層の拡充が重要だと考える。それがなされないと、予備自衛官及び即応予備自衛官の平均年齢が上がることにより、自ずと勤務先における責任も重くなり、平素の勤務先を離れることが難しくなるという悪循環に陥ることもありうる。
 しかし、即応予備自衛官における二十代の割合は、平成十七年度に二十七・五%だったのに対し、平成二十八年度には十六・七%と十ポイント以上減少している。また、予備自衛官の平均年齢は、平成二十八年度で四十七・三歳と高齢化が進行している状況がうかがえる。
 若年層の具体的な拡充方策を明らかにされたい。

四 本法律の附則第二項では雇用企業協力確保給付金の支給に関する経過措置が定められている。この経過措置は「本制度は施行後の招集から適用される。一方、施行前に招集を受け、招集期間中に本制度が施行された場合には適用されない。」ということを意味しているという認識で良いか、見解を明らかにされたい。
 また、雇用企業協力確保給付金の趣旨を踏まえれば、可及的速やかに予備自衛官及び即応予備自衛官の使用者である企業の負担を軽減できるようにするべきという指摘もあるが、なぜこの経過措置を定める必要があったのか、見解を明らかにされたい。

  右質問する。