第196回国会(常会)
質問第五五号 陸上自衛隊オスプレイの配備先に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成三十年三月三十日 青木 愛
参議院議長 伊達 忠一 殿 陸上自衛隊オスプレイの配備先に関する質問主意書 平成三十年三月二十七日、毎日新聞など報道各紙は、防衛省が陸上自衛隊に今秋納入されるV-22オスプレイを木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備する調整に入ったことを報じた。 報道によれば、V-22オスプレイの正式配備を予定する佐賀空港(佐賀県佐賀市)隣接地の用地買収交渉が難航し、施設整備が間に合わないため、整備拠点がある木更津駐屯地に当面駐留させることとし、同年十一月ごろから納入される初年度分の五機を木更津に配備する計画とされている。 木更津市は、同日、防衛省北関東防衛局が同市を来訪し、「防衛省としては、佐賀空港における施設整備が完了するまでの間のV-22オスプレイの一時的な処置については、様々な選択肢を検討しているところであり、木更津市に暫定配備するということを決定した事実はありません」と説明したことを公表した。 オスプレイについては、米軍普天間飛行場に所属する機体が、平成二十九年六月に伊江島補助飛行場及び奄美空港に緊急着陸、同年八月にオーストラリア東部の沖合で墜落(三名死亡)、岩国基地に緊急着陸(その後、当該機は大分空港でも緊急着陸)、同年九月に新石垣空港に緊急着陸、本年二月には伊計島の海岸にエンジンカバーが漂着するなど事故やトラブルが後を絶たず、同機の安全性に対する懸念がより一層高まっている。 また、陸上自衛隊のヘリコプターについても、本年二月五日の佐賀県神埼市におけるAH-64Dの民家への墜落事故を受け、安全性に対する信頼は揺らいでいると言わざるを得ない。 このような状況を踏まえ、以下質問する。 一 本年三月二十七日に北関東防衛局が木更津市に説明に行った目的及び意図を改めて示されたい。 二 北関東防衛局が木更津市に対し「V-22オスプレイの一時的な処置については、様々な選択肢を検討しているところであり、木更津市に暫定配備するということを決定した事実はありません」と説明したことについて、政府全体としてこのような認識を持っていることに間違いないか、改めて確認したい。 三 今後、V-22オスプレイの暫定配備先はいつ、誰が、どのような手続を経て決定するのか。 四 暫定配備先の決定にあたり、事前に当該施設が所在する市町村等に対し、どのような形で説明を行うのか。また、その際、地域住民に対する説明も実施されるのか。 五 V-22オスプレイの暫定配備については、当該施設が所在する市町村等の住民の理解と信頼なしに決定することはできないと考えるが、政府の見解を求める。 六 前記報道では、正式配備を予定する佐賀空港隣接地の用地買収交渉が難航し、施設整備が間に合わないことが指摘されている。仮に佐賀空港へのV-22オスプレイの正式配備が決まらない場合、長期間にわたり暫定配備が継続する可能性はあるのか。 七 前記六について、仮に佐賀空港へのV-22オスプレイの正式配備が断念された場合、暫定配備先がそのまま正式配備先に移行する可能性はあるのか。 八 政府は、中期防衛力整備計画(平成二十六年度~平成三十年度)において、ティルト・ローター機(V-22オスプレイ)十七機の調達を決定している。配備先が決定しない現状においては、配備先が決定するまで米国(納入元)に留め置くことも検討すべきと考えるが、政府の見解を問う。 右質問する。 |