質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第二五号

厚生労働省が情報提供している「ヒトパピローマウイルスワクチン」にかかるリーフレットに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年二月二十二日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   厚生労働省が情報提供している「ヒトパピローマウイルスワクチン」にかかるリーフレットに関する質問主意書

 厚生労働省が平成三十年一月十八日から情報提供を開始したヒトパピローマウイルス(以下「HPV」という。)感染症ワクチンの定期接種に関するリーフレットについて、情報の非対称性という観点から疑念を呈せざるを得ない事例があるので政府の見解を明らかにされたい。
 政府は、医療における情報の非対称性の解消にむけて日夜努力をされ、平成十五年九月十二日には、「診療情報の提供等に関する指針」を医政局長名で発出し、同通知の中で「医療従事者等は、患者等にとって理解を得やすいように、懇切丁寧に診療情報を提供するよう努めなければならない」と規定し、医療従事者等に診療情報の積極的な提供を求めていると理解するところである。しかしながら、前記HPV感染症ワクチンの定期接種に関するリーフレットにあっては、接種を受ける国民向けのリーフレットと接種を実施する医療従事者向けのリーフレットに示された、接種を受けたことによるリスクの記述に差異をみゆる。医療従事者向けのリーフレットには、因果関係不明ながら報告された副反応のメカニズムである機能性身体症状の一例として記憶障害、学習意欲低下、計算障害、集中力低下などの症状が記載されているが、国民向けのリーフレットには、機能性身体症状などの記述はあるものの前記記憶障害等の症状の記載がみられない。これは、政府が進める医療情報の積極的な開示とは逆行しうる情報開示のあり様であり、政府の発出する文書としては不適切なものであると断じざるを得ない。政府は、不断の努力をもって医療従事者等による国民への懇切丁寧な情報提供体制の構築を目指しているにも関わらず、政府の作成する情報提供文書にあって、このような情報の非対称性を温存するようなミスを犯すとは考えられず、ここに政府の真意をお尋ねするものとする。何故に国民向けのリーフレットに、記憶障害等の症状を記載しなかったのか、合理的な理由を懇切丁寧に明らかにされたい。

  右質問する。