質問主意書

第196回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇号

東シナ海洋上におけるパナマ籍タンカーからの原油流出事故に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三十年二月五日

山本 太郎   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   東シナ海洋上におけるパナマ籍タンカーからの原油流出事故に関する質問主意書

 第十管区海上保安本部の発表(平成三十年一月十一日)によると、本年一月六日午後八時五十一分ころ、中国上海の東方沖約百五十五海里でパナマ籍タンカー「SANCHI」(以下「S号」という。)と香港籍貨物船「CF CRYSTAL」が衝突し、S号に火災が発生し、漂流する事故が発生した(以下「本件事故」という。)。
 その後の報道によると、S号は「コンデンセート」と呼ばれる超軽質原油を十万トン以上積んでいたこと、衝突による爆発で当該原油が流出したことが判明した。また、NHKの報道などによると二月一日現在、鹿児島県奄美市の海岸に本件事故由来のものとみられる黒い油のようなものが広い範囲に漂着している。
 以下、本件事故について質問する。

一 政府は、前記漂着物と本件事故によりS号から流出した原油との関連をどのように認識しているか。

二 S号から流出した「コンデンセート」と呼ばれる超軽質原油の海水からの除去は困難であると指摘されているが、政府はどのように認識しているか。

三 本件事故の収束に向け、政府は中国当局とどのような連携を行っているか。

四 政府は、S号からの原油流出が日本近海の海洋生態系、日本の漁業及び国民の健康にどのような影響を及ぼすと評価しているか。

五 AFP通信の報道では、仮にS号から流出した原油が積載量の二十%だったとしても、一九八九年にアラスカ沖で発生した石油タンカー「エクソン・バルディーズ(Exxon Valdez)号」の事故における原油流出量に匹敵する規模であるとする専門家の見解を紹介しているが、政府はS号からの原油流出量がどの程度の規模に達していると推測しているか。

  右質問する。