質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第四二号

内閣参質一九五第四二号
  平成二十九年十二月十九日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員福島みずほ君提出福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出福島原発事故関連費および原発廃炉時の未償却資産の託送料金による回収に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 今般の事故炉廃炉の確実な実施に関する措置により、東京電力ホールディングス株式会社の福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の廃炉に要する資金を確実に確保するため、東京電力パワーグリッド株式会社は、電力の安定供給の確保のために必要な設備投資等を行った上で、廃炉に充てるための資金の確実な支出を確保するため収支計算において廃炉等負担金を費用として計上することとしていると承知している。また、東京電力パワーグリッド株式会社が、合理化により捻出した廃炉等負担金の額を上回る合理化を行った場合には、当該合理化により生じた額は、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)に基づく託送供給等に係る料金(以下「託送料金」という。)を含む託送供給等約款の変更に関する経済産業大臣の命令に当たっての判断のための算定基礎となることに変わりはない。

三について

 福島第一原発事故に係る対応については、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」(平成二十八年十二月二十日閣議決定。以下「基本指針」という。)において、「国民負担を最大限抑制しつつ、福島の再生と電力の安定供給を両立させる」、「原則として、東京電力グループ全体で総力を挙げて責任を果たしていくことが必要である」及び「国は、必要な制度整備等を行うとともに、技術的難易度が高く、国が前面に立つ必要がある研究開発については、引き続き必要な支援を行う」としているとおりである。

四から六までについて

 基本指針に記載されているとおり、「福島第一原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備えについてのみ、広く需要家全体の負担」として、電気事業法に基づき、合理的に算定される額を、託送料金の原価に含むことができることとしたものである。

七及び八について

 廃炉会計制度は、原発依存度の低減というエネルギー政策の基本方針を実現するため、財務的な理由により、事業者の合理的な廃炉判断をゆがめたり、円滑な廃炉の実施に支障を来すことのないよう、措置している制度である。
 また、お尋ねのような仮定の御質問にお答えすることは差し控えたい。