質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第二五号

内閣参質一九五第二五号
  平成二十九年十二月十二日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院副議長 郡司 彰 殿

参議院議員山本太郎君提出米軍ヘリ炎上事故についての日米間のやり取り及び日米合同委員会合意に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出米軍ヘリ炎上事故についての日米間のやり取り及び日米合同委員会合意に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の事故の発生直後からあらゆる機会を利用して行っている日米間の協議の詳細を明らかにすることは、米国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から、差し控えたい。
 また、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第二十五条に基づき設置される合同委員会(以下「日米合同委員会」という。)における議事録について公開の求めがあった場合には、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「情報公開法」という。)等に基づき、適切に対応することとなる。

四について

 仮定の御質問にお答えすることは差し控えたい。

五から八までについて

 日米合同委員会における議事録は、昭和三十五年六月二十三日に東京において開催された第一回日米合同委員会での協議において、日米両政府の同意がない限り公表しないこととされている。当該協議の内容については、第一回日米合同委員会の議事録に記載されており、当該議事録について公開の求めがあった場合には、一から三までについてでお答えしたとおり、情報公開法等に基づき、適切に対応することとなる。

九から十三まで及び十五から十八までについて

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「日米合同委員会の刑事裁判管轄権に関する合意事項二十」とは、昭和二十八年十月の刑事裁判管轄権に関する事項についての日米合同委員会合意第20を指すと思われるが、同合意第20では「但し、当該財産に対し不必要な損害を与えないよう最善の努力が払われなければならない。」とされているものであり、憲法第二十九条において保障されている財産権を侵しているものではないと考えている。
 日米合同委員会における協議の内容は、米国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から、その全てを国会に報告することは考えておらず、また、同合意第20を含む日米合同委員会合意は、日米地位協定の実施の細則を定める取決めであることから、その内容について国会の承認を得る必要があるとは考えていない。
 日米地位協定についての合意された議事録は、先の答弁書(平成二十九年十一月十日内閣参質一九五第六号)三から五までについてでお答えしたとおり、締結について国会の承認を得た日米地位協定の実施細目等を定めるものとして、内閣の権限の範囲内で締結した国際約束であり、締結について国会の承認を得る必要があったとは考えていない。
 お尋ねの日米合同委員会の詳細を明らかにすることは、米国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあることから差し控えたいが、日米合同委員会の協議の内容は、必要に応じ、内閣総理大臣を始めとする関係閣僚に対して報告が行われている。

十四について

 御指摘の土壌には、米軍の財産である機体の残骸が混入していたものと承知しており、当該土壌そのものは米軍の財産ではないが、米軍は、当該機体の残骸の回収及び汚染の拡散防止の観点から、あらかじめ土地所有者の同意を得たと認識した上で、当該機体の残骸が混入した当該土壌の搬出を行ったものと承知しており、政府としては、今後、原状回復措置を適切に実施していく考えである。このため、お尋ねの「米軍による土壌の搬出に係る米軍と土地所有者との間のやり取りの詳細」に関して、政府として今後調査していく考えはないが、一般論として述べれば、事故対応に当たっては、当事者間の認識の食い違いが発生することのないようしかるべく対応していく考えである。