質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一二号

内閣参質一九五第一二号
  平成二十九年十一月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員川田龍平君提出高齢者や障害者に対する悪質な携帯電話等契約被害に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出高齢者や障害者に対する悪質な携帯電話等契約被害に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、高齢者等を含め、電気通信役務の利用者が、当該電気通信役務に関する料金その他の提供条件の概要を理解し、電気通信役務を安心して利用できる環境を整備することが重要であると考えている。

二について

 御指摘の「泣き寝入りしている実態」が具体的にどのような状況を指すのか必ずしも明らかではないが、総務省において、同省及び消費生活センター等に寄せられた苦情等について分析し、必要に応じて調査を行うことにより、法令違反が疑われる事案等を把握しているところである。

三から五までについて

 お尋ねについては、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号。以下「事業法」という。)第二十六条第一項及び第二十六条の二第一項の規定等を踏まえ、総務省において、必要に応じて行政指導を行うこと等により対応することとしている。

六について

 独立行政法人国民生活センターでは、同センターのホームページ等において、電気通信役務の提供に関する契約等を含め、代表的な相談事例について、消費者への情報提供を行っており、同センターに対し、御指摘のような事例に係る情報提供も含め、引き続き適切な対応を求めてまいりたい。

七について

 御指摘の「契約の悪質さの程度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、契約の内容の適切な説明の確保等については、三から五までについてで述べたとおり、総務省において、必要に応じて行政指導を行うこと等により対応することとしている。他方で、御指摘の「基本料金も含めて全額返金すること」については、利用者が契約を解除した場合に、当該利用者と電気通信事業者との間の公平な費用負担を図ることが必要であると考えている。

八について

 御指摘の「確認措置」については、従来から、総務省のホームページへの掲載や地方公共団体等を通じたパンフレットの配布等により消費者への周知を行っているところであるが、御指摘を踏まえ、より効果的な周知の在り方について検討してまいりたい。

九について

 総務省としては、広告において、提供する電気通信役務に関して適切な表示が行われておらず、利用者の適切なサービス選択に関し、利用者に誤認を与え、利用者の利益の保護に支障を生じるおそれがあったと認められる電気通信事業者に対し、行政指導を行っているところである。

十について

 御指摘の「電波の割り当てを見直したり、免許を取り上げたりするなどの厳しい対応」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、事業法第九条の規定により、電気通信事業を営もうとする者は、同条各号に掲げる場合を除き、総務大臣の登録を受けなければならないこととされており、事業法第十四条第一項の規定により、総務大臣は、事業法第九条の登録を受けた者が同項各号に掲げる登録の取消しの要件のいずれかに該当するときは、同条の登録を取り消すことができることとされているところ、当該要件に該当するかについては、個別具体的な事情を踏まえ、慎重に判断すべきものであると考えている。

十一について

 現在、消費者庁において、情報通信技術の発達や高齢化の進展を始めとした社会経済状況の変化への対応等の観点から、平成二十八年一月七日及び平成二十九年八月八日の消費者委員会からの答申を踏まえ、消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)の改正を検討しているところであるが、お尋ねについては、同法が、電気通信役務の提供に関する契約等に限らず、消費者と事業者との間で締結される契約一般について適用されるものであることを踏まえ、検討すべきものであると考えている。