質問主意書

第195回国会(特別会)

答弁書


答弁書第六号

内閣参質一九五第六号
  平成二十九年十一月十日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員山本太郎君提出沖縄・米軍ヘリ炎上事故現場における米軍の行為及び日本政府の対応と日米地位協定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出沖縄・米軍ヘリ炎上事故現場における米軍の行為及び日本政府の対応と日米地位協定に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの事故については、現在捜査中であり、また、米側との関係もあることから、詳細についてお答えすることは差し控えるが、沖縄県警察において、平成二十九年十月十七日、当該事故に係る機体の検証及び差押えについて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法(昭和二十七年法律第百三十八号)第十三条の規定に基づき、米側に対して同意を求めたところ、その同意は得られなかったものの、引き続き、米側の協力を得つつ、所要の捜査を行っていくものと承知している。

三から五までについて

 御指摘の「日米地位協定第十七条10(a)及び(b)に関する合意議事録」とは、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)についての合意された議事録(以下「合意議事録」という。)に記載されているものを指すと思われるが、合意議事録は、締結について国会の承認を得た日米地位協定の実施細目等を定めるものとして、内閣の権限の範囲内で締結した国際約束であり、締結について国会の承認を得る必要があったとは考えていない。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第六条の規定に基づき我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)による御指摘の「捜索、差押え又は検証」の意味するところが明らかではないが、米軍は、合意議事録の第十七条10(a)及び(b)に関する規定2において、日本国の当局は、通常、米軍の財産について、捜索、差押え又は検証を行う権利を行使しないこととされていることを踏まえて、しかるべく対応したものと理解している。

六から十までについて

 お尋ねの事故に関して、沖縄防衛局及び沖縄県による事故現場の土壌の採取の一部について、米軍による土壌の搬出前に行うことができなかったことは事実である。米軍によるお尋ねの「捜索、差押え又は検証」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、米軍による事故現場への立入りは、日米地位協定第十七条10(b)等を踏まえて行われたものと理解している。また、政府として、米軍と土地所有者との間のやり取りの詳細を承知しているわけではないが、米軍は、機体の残骸の回収及び汚染の拡散防止の観点から、あらかじめ土地所有者の同意を得たと認識した上で、事故現場の土壌の搬出を行ったものと承知している。なお、米側とのやり取りの詳細について明らかにすることは、米側との関係もあり、差し控えたい。