質問主意書

第195回国会(特別会)

質問主意書


質問第五三号

駅ホームの安全確保に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年十二月八日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   駅ホームの安全確保に関する質問主意書

 鉄道駅のホーム(以下「駅ホーム」という。)では、線路への転落、列車との接触等の事故(以下「転落・接触事故」という。)が多発している。駅ホームにおける接触事故(駅ホーム上で列車と接触したもの及び駅ホームから転落して列車と接触したものの合計)発生件数は、平成十五年には百六件であったのに対し、平成二十八年度は百八十七件と長期的な増加傾向にある。

一 転落・接触事故を防止する上で、有効なハード面の対策としては、ホームドアの設置が第一に挙げられる。「駅ホームにおける安全性向上のための検討会 中間とりまとめ(平成二十八年)」では、利用者数十万人以上の駅(全二百六十駅)でホームドアの整備条件を充たしている場合は、原則として平成三十二年度までに、ホームドアを整備するとされている。この利用者数十万人以上の駅について、現時点でホームドアを設置済の駅の数と、平成三十二年度までに整備が終了すると見込まれる駅の数をそれぞれ明らかにされたい。

二 ホームドアを設置するためには、一駅あたり数億円から十数億円を要する。山手線の駅に設置するホームドアの費用は、一駅あたり平均約十九億円に上るとされている。ホームドア等の整備を行う鉄道事業者に対しては、国及び地方自治体より財政上の支援措置が講じられているが、鉄道事業者の費用負担は重く、ホームドア整備の足枷になっている。ホームドア普及のためには、公的な支援の割合をさらに拡大すべきと考えるが、見解を明らかにされたい。

三 転落・接触事故を防止するためには、ホームドアの設置によるハード面の対策が急務ではあるが、ホームドアの整備が進むまでは間がある。駅ホーム上の事故のうち、視覚障害者が関係するものは増加傾向を示しており、視覚障害者への声掛けを含めた「健常者によるサポート」が重要だと思われる。中学校や高校等で「健常者によるサポート」についての教育を行っていくべきと考えるが、見解を明らかにされたい。

  右質問する。