質問主意書

第195回国会(特別会)

質問主意書


質問第二二号

世界大学ランキングに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年十二月一日

藤末 健三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   世界大学ランキングに関する質問主意書

 二〇一三年六月に閣議決定された「日本再興戦略―JAPAN is BACK―」において、「今後十年間で世界大学ランキングトップ百に我が国の大学が十校以上入ることを目指す。」との目標を掲げてから四年が経過した。
 しかしながら、本年九月に公表された「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)社」による世界大学ランキング二〇一八によれば、トップ百位以内に入った日本の大学は東京大学と京都大学の二校に過ぎない。京都大学は前回の九十一位から順位を上げ七十四位となったものの、東京大学は前回の三十九位から順位を下げ、過去最低の四十六位である。
 アジアの大学と比較すると、香港は百位以内に日本を上回る三校が入っており、シンガポール、中国及び韓国も日本と同じく二校が入っている。しかも、近年、アジアの大学はいずれも急激な勢いで順位を上げてきており、シンガポール国立大学の二十二位、北京大学の二十七位など、東京大学よりも上位の大学は五校に上る。
 このような現状を踏まえ、以下のとおり質問する。

一 同世界大学ランキングにおいては、二百位以内に目を転じたとしても、ランクインしている日本の大学は、依然として東京大学及び京都大学の二校に過ぎず、前記目標の達成は厳しいと言わざるを得ない。
 政府は、今なお、前記目標を堅持しているのか、明らかにされたい。

二 同世界大学ランキングの評価項目及び評価比重は、①教育(三十%)、②論文被引用数(三十%)、③研究(三十%)、④国際性(七・五%)、⑤産学連携(二・五%)となっている。
 前記目標の達成に向けては、漫然と取り組むのではなく、これらの評価項目が求める成果や評価方法等について正しく理解した上で、真に必要な取組や施策は何かを具体的に詰めていく必要がある。そのためにも、直接THE社など世界大学ランキングを作成している組織の担当者からヒアリングを行うことも有効であると考えるが、政府は、前記目標の設定以降、当該担当者との意見交換の機会を設けたことがあるのか、明らかにされたい。当該機会を設けたことがないとするならば、その理由は何か。また、今後当該機会を設ける予定はあるのか、明らかにされたい。

三 前記目標の達成に資するものとして、政府は、平成十九年度より「世界トップレベル研究拠点プログラム」(以下「WPI」という。)に取り組んでおり、これまで十一拠点が採択されている。WPIは、一拠点当たり年間十三から十四億円程度の助成を十年間行い(五年間の延長が認められることもある)、当該大学の研究力を飛躍的に向上させようとするものである。
 WPIの実施により、それぞれの大学ではどのような成果が得られたのか、明らかにされたい。また、WPIの助成期間が終了した場合、それまで助成を受けていた大学が応分の資金を確保し、自立的にプログラムを継続していくことの困難さが指摘されているが、どのような対策が講じられているのか、明らかにされたい。このほか、世界トップレベルの研究拠点を構築するに当たり、WPIを通じて明らかとなった課題があれば、あわせて説明されたい。

四 政府は、平成二十六年度より、国際化を徹底して進める大学を重点支援するため、「スーパーグローバル大学創成支援事業」を実施しており、このうち世界大学ランキング百位以内を目指す力のある、世界レベルの教育研究を行うトップ大学十三校をタイプA(トップ型)として支援している。
 前記目標の達成に向けて、PDCAサイクルを回すことは必要不可欠であると考えるが、本事業においては具体的にどのようにしてPDCAサイクルを回していくのか、明らかにされたい。また、タイプA十三校の世界大学ランキングにおける順位の推移、その状況に対する政府の評価・分析、これを受けた本事業の改善点等について具体的に説明されたい。

  右質問する。