質問主意書

第195回国会(特別会)

質問主意書


質問第二〇号

「医薬分業の欠点」にかかる政府の今後の展望に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年十一月二十二日

川田 龍平   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   「医薬分業の欠点」にかかる政府の今後の展望に関する質問主意書

一 政府は、私が提出した「政府の考える「医薬分業」の利点及び欠点に関する質問主意書」(第百九十四回国会質問第六号)に対する答弁(内閣参質一九四第六号)において、「医薬分業の欠点」の具体的な事例として「院内処方として医薬品を医療機関で受け取るよりも、院外処方として薬局で受け取る方が、患者の負担額は大きくなるが、負担の増加に見合うサービスの向上や分業の効果などが実感できない」との規制改革会議での指摘を挙げている。国民が負担の増加に見合う「サービスの向上」や「分業の効果」を実感していないとするならば、実感を伴う施策を具体的に示すのが行政府の責任であると考えるところであるが、具体的にどのような施策を実行しているのか政府の見解をお示し願いたい。

二 負担増加に見合う「サービスの向上」や「分業の効果」がある施策を具体的に実施しているにも関わらず、国民に理解をしてもらえていないというのであれば、政府は、国民の理解を得られるような努力をすべきである。而して、政府は「サービスの向上」や「分業の効果」などにつき国民に広く知らしめる具体的な施策を計画しているのかどうかについて明らかにされたい。

三 政府内で開催される会議及び審議会等にて、「医薬分業の欠点」として、院内処方と比較して、院外処方として薬局で受け取る方が、移動距離が増加するなどの物理的負担が増加することが指摘されていると聞き及ぶところであるが、政府は、この物理的負担について、薬物療法の有効性・安全性の確保に勝る致命的な負担と考えているのかにつき明らかにされたい。

四 我が国にあっては、過去に多くの薬害被害を経験しており、「薬物療法の安全性確保」は、国家的使命でもあると考えるものであるが、利便性や功利性を注視するあまり「薬物療法の安全性確保」が疎かになるとすれば、平成十一年八月二十四日に厚生労働省正面玄関前に設置された「誓いの碑」の碑文はいかなる意味をもつのかと困惑せざるをえない。政府は、この碑文を設置した原点に返り、「薬物療法の安全性確保」における医薬分業の果たす役割について国民に解りやすく説明するべきと考えるが、政府の見解如何。

五 併せて、現に薬局を開設し、医薬分業に従事する者が「薬物療法の安全性確保」を顧みない行為を行った場合には、厳しく処罰するべきと考えるが、これについても政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。