質問主意書

第194回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六号

内閣参質一九四第六号
  平成二十九年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員川田龍平君提出政府の考える「医薬分業」の利点及び欠点に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出政府の考える「医薬分業」の利点及び欠点に関する質問に対する答弁書

 医薬分業の利点及び欠点には様々なものがあることから一概にお答えすることは困難であるが、医薬分業については、例えば、平成二十八年版厚生労働白書において記載している「「かかりつけ薬剤師・薬局」において薬歴管理を行うことにより、複数診療科受診による重複投薬、相互作用の有無の確認などができ、薬物療法の有効性・安全性が向上する」ことが利点であると認識している一方で、例えば、規制改革会議において「院内処方として医薬品を医療機関で受け取るよりも、院外処方として薬局で受け取る方が、患者の負担額は大きくなるが、負担の増加に見合うサービスの向上や分業の効果などが実感できない」という指摘がされていると承知している。
 御指摘の塩崎前厚生労働大臣の発言については、このような規制改革会議における指摘等を踏まえ、平成二十七年五月二十六日の経済財政諮問会議において、「患者のための薬局ビジョン」を同年内に公表することを資料に示した上で、大規模な病院の前で当該病院から発行される処方箋に応じるだけの薬局をはじめとする全ての薬局を、薬剤情報を一元的、継続的に管理し、在宅訪問を含め、患者の服薬状況について確認する「かかりつけ薬剤師」がその役割を発揮することができる薬局に再編する趣旨を述べたものであり、この考え方は、加藤厚生労働大臣においても同様である。
 また、お尋ねの「「病院前の景色を変える」ための具体的なプロセス」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省が同年十月二十三日に公表した「患者のための薬局ビジョン」に基づき、引き続き、薬局の再編を進めてまいりたい。