質問主意書

第194回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質一九四第一号
  平成二十九年十月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員有田芳生君提出最近の日朝関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員有田芳生君提出最近の日朝関係に関する質問に対する答弁書

一について

 国際連合安全保障理事会が全会一致で採択した決議第二千三百七十五号は、北朝鮮に対して格段に厳しい制裁措置を課す強力なものであり、政府としてはこれを高く評価している。

二について

 政府としては、日朝平壌宣言において確認された事項が誠実に実施されることが重要であると考えており、北朝鮮に対し、引き続き、日朝双方の首脳の議論の結果として日朝関係の今後の在り方を記した同宣言を遵守するよう求めていく考えである。また、政府として御指摘のいわゆる「ストックホルム合意」を破棄する考えはなく、同合意に基づき、拉致問題を含む日本人に関する全ての問題の解決を目指す考えである。

三について

 政府としては、トランプ米国大統領が、本年九月十九日(現地時間)に行った第七十二回国際連合総会における一般討論演説において、拉致問題を含む北朝鮮をめぐる諸懸案の解決に向け取り組む姿勢を改めて示したことを高く評価する。また、政府として米国政府に期待する役割については、一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、「対話と圧力」及び「行動対行動」の原則の下、米国をはじめとする関係国と緊密に連携しつつ、拉致問題の解決に向け全力を尽くしていく考えである。

四及び五について

 お尋ねの「国交正常化への道筋を白紙に戻す」の趣旨が必ずしも明らかではないが、北朝鮮との関係に関する政府の方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を実現していくというものであり、政府としては、同宣言において確認された事項が誠実に実施されることが重要であると考え、このような方針の下、様々な施策を講じてきているところである。なお、お尋ねの「日朝平壌宣言の成果」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。