質問主意書

第194回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一九号

働き方改革関連束ね法案に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年九月二十八日

吉川 沙織   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   働き方改革関連束ね法案に関する質問主意書

 厚生労働大臣が労働政策審議会に諮問した法律案要綱においても明らかなように、政府が提出を予定している「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」は、第百八十九回国会に提出された労働基準法等の一部を改正する法律案(第百八十九回国会閣法第六九号)及び時間外労働の上限規制に関する法律案の一括化を含む、趣旨・内容の異なる八本の法律の改正案を束ねて改正しようとするものである。束ね法案については、これまで第百九十回国会質問第三三号、第百九十回国会質問第四九号、第百九十回国会質問第七九号等において問題点を指摘してきたが、今回の一括化、ならびに法案の束ね方にも同様の問題があり、看過できない。
 こうした観点から、以下、質問する。

一 労働基準法等の一部を改正する法律案(第百八十九回国会閣法第六九号)がこれまで審議入りされることもなく、継続とされてきた理由をどのように分析し、認識しているか。

二 過去に、内閣が提出してから二年以上審議入りできないまま継続とされてきた法律案を撤回し、全く別の改正内容を加えて、提出し直した例はあるか。例があれば具体的に示されたい。

三 過去に、内閣が提出してから二年以上審議入りできないまま審議未了となった法律案について、全く別の改正内容を加えて、提出し直した例はあるか。例があれば具体的に示されたい。

四 労働基準法等の一部を改正する法律案(第百八十九回国会閣法第六九号)は、高度プロフェッショナル制度の創設や裁量労働制の拡大を含んでおり、長時間労働を助長する懸念がある。一方、働き方改革実行計画において示された時間外労働の上限規制は、長時間労働の是正を目的とするものであり、政策の方向性が全く異なる。法案の趣旨・目的が一つであると認められるときは、一つの改正法案として提案することができるとしてきたこれまでの政府答弁に鑑みれば、趣旨・目的が相反する内容の改正は、別個の法案とすべきではないか。

五 高度プロフェッショナル制度の創設や裁量労働制の拡大と、時間外労働の上限規制の問題は、労働政策審議会における労働者代表委員の意見にも見られるように賛否が異なる内容であり、これらを一括して法案化することは、国会議員の表決権を侵害するものではないか。

六 労働時間に関する制度の見直しと同一賃金同一労働の実現に向けた非正規雇用労働者の不合理な待遇差の解消は、依拠する法律も論点も全く異なるものであり、本来別個の法案とすべきではないか。

七 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案に、じん肺法の一部改正が入った経緯及び理由を具体的に示されたい。

  右質問する。