質問主意書

第194回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一五号

沖縄の空の安全に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年九月二十八日

糸数 慶子   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   沖縄の空の安全に関する質問主意書

 沖縄県の沖縄本島上空と周辺の航空管制業務が米国政府から日本政府へ移管されたのは二〇一〇年三月三十一日である。いわゆる米軍嘉手納飛行場の航空管制業務、通称嘉手納ラプコンの返還である。嘉手納ラプコンの返還は、那覇空港、久米島空港、嘉手納飛行場及び普天間飛行場を離着陸する全ての航空機の進入路を日本側がコントロールするもので、それまで嘉手納飛行場や普天間飛行場を離着陸する戦闘機や偵察機、輸送機等の軍用機が優先されてきた沖縄の空の民間側への移管である。嘉手納ラプコンは、日本政府への移管後、名称を「那覇進入管制空域」(通称・那覇アプローチ)に改め、沖縄の空の安全を守っているが、その進入管制の実状は明らかではない。防衛省沖縄防衛局が新たに実施した嘉手納と普天間の両飛行場の飛行調査によると本年四月から七月までの四カ月の間、嘉手納は一万八千七百九十九回の離着陸等があり、そのうちの六千五百五十四回は外来機によるもので全体の約三十五%を占めた。普天間は常駐機と外来機合わせて五千八十四回となっている。また国土交通省大阪航空局による二〇一六年度の那覇空港の着陸回数(速報値)は八万三千百八十九回で、過去最多を更新し、前年度比で四千五百四回(五・七%)増となっている。離着陸回数は約十六万六千四百回となる。旅客機等の民間航空機と戦闘機等の軍用機が飛び交う沖縄の空の交通整理を担い、沖縄の空の安全を確保する「那覇進入管制空域」の役割は極めて重要である。
 よって、以下、質問する。

一 「那覇進入管制空域」の要員のうち、管制官の総数と勤務体制を明らかにされたい。

二 「那覇進入管制空域」に入ってきた全ての航空機の数を二〇一〇年から二〇一六年まで年毎に示されたい。

三 前記二の航空機の数を民間機と軍用機に分けて示されたい。

四 「那覇進入管制空域」において旅客機等の民間機に対し、進入コース等の変更を指示したことがあるか。変更の指示をしたことがあるのであればその件数を二〇一〇年から二〇一六年まで年毎に示し、変更の指示をした理由を明らかにされたい。

五 「那覇進入管制空域」において民間機と軍用機の異常接近等が起きたことがあるか。異常接近等が起きたことがあるのであれば、その件数と原因を明らかにされたい。

六 「那覇進入管制空域」において空の安全確保の観点から米軍側と定期的に協議を行っているのか。協議を行っているのであれば直近の協議事項等を明らかにされたい。

七 日本政府は「那覇進入管制空域」について、他の進入管制空域との比較においてどのような評価をしているのか。米軍側の意向を含め改善すべき点等、総括を示されたい。

  右質問する。