質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六六号

内閣参質一九三第一六六号
  平成二十九年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員小西洋之君提出天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出天皇の退位等に関する皇室典範特例法案の解釈等に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 お尋ねの「法的な意味」、「法的な関係」及び「法的にどのような意味か」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第二条は、「皇位は、世襲のもの」とするほかは、皇位の継承に係る事項については、「国会の議決した皇室典範」すなわち法律で適切に定めるべきであるということを規定しているものと解されるところ、一般に、ある法律の特例や特則を別の法律で規定することは法制上可能であることを踏まえると、同条に規定する「皇室典範」には、皇室典範(昭和二十二年法律第三号)のみならず、その特例や特則を定める別法も含み得ると考えられる。すなわち、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成二十九年法律第六十三号)は、皇室典範と一体を成すものとして、同条にいう「皇室典範」に含まれるものであり、天皇の退位等に関する皇室典範特例法附則第三条によって追加される皇室典範附則第四項は、その旨を明記して確認するものである。
 他方、憲法第九十六条第二項の「一体を成すものとして」とは、憲法改正が、日本国憲法の一部としてそれと同じ形式的効力をもつことを確認する趣旨であると解される。

四について

 国権の最高機関である国会を構成する、全国民を代表する選挙された議員で組織された衆議院及び参議院の議長及び副議長が中心となり、各政党・各会派による議論を経て平成二十九年三月十七日に取りまとめられた「「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ」(以下「議論のとりまとめ」という。)において、「今上天皇の退位に至る事情等に関する規定に盛り込むべき事項」として、「今上天皇の象徴天皇としての御活動と国民からの敬愛」等の事項が挙げられているところであり、天皇の退位等に関する皇室典範特例法第一条の規定は、この議論のとりまとめを厳粛に受け止め、その内容を忠実に反映させて立案したものである。