質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三八号

内閣参質一九三第一三八号
  平成二十九年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員山本太郎君提出幼稚園児に教育勅語を朗唱させる教育及びその教育を行う学校法人への国有地譲渡が適切であるかに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出幼稚園児に教育勅語を朗唱させる教育及びその教育を行う学校法人への国有地譲渡が適切であるかに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの報道については承知している。

二について

 御指摘の「塚本幼稚園において園児による教育勅語の朗唱が行われていたこと」については、報道等を通じて承知しているが、具体的にいつの時点で把握したかは不明であり、また、お尋ねの「塚本幼稚園において教育の根幹として教育勅語を用いていたこと」については、その意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

三について

 お尋ねは、特定の個人が行った私的な行為に関するものであり、政府としてお答えする立場にない。

四について

 お尋ねは、御指摘の安倍内閣総理大臣の答弁とは離れた個人の認識に関するものであり、政府としてお答えすることは困難である。

五について

 お尋ねについては、衆議院議員宮崎岳志君提出「教育ニ関スル勅語」の教育現場における使用に関する質問に対する答弁書(平成二十九年四月十四日内閣衆質一九三第二○六号)でお答えしたとおり、「教育を受ける者の心身の発達等の個別具体的な状況に即して、国民主権等の憲法の基本理念や教育基本法の定める教育の目的等に反しないような適切な配慮がなされているか等の様々な事情を総合的に考慮して」、まずは、御指摘の「塚本幼稚園」の所轄庁である大阪府において判断されるべきものであると考えている。また、文部科学省においては、大阪府に対する聞き取りにより、御指摘の「塚本幼稚園」の状況の把握に努めている。

六の1について

 お尋ねの「語句の意味をすべて理解できる」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

六の2について

 政府として、御指摘の「その判断」について承知していないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

七の1及び2について

 お尋ねについては、文部科学省において御指摘の「文部科学省幼児教育課のコメント」及び「返答」に関する記録は残っておらず、お答えすることは困難である。

七の3について

 お尋ねの「平成十八年当時」の「東京新聞から「問合せ」」に関しては、七の1及び2についてでお答えしたとおりであるが、お尋ねの「「教育に関する勅語を教育において用いること」に関する文部科学省としての認識」については、衆議院議員仲里利信君提出教育勅語を道徳教育に用いようとする動きに関する質問に対する答弁書(平成二十九年四月二十一日内閣衆質一九三第二二三号)二、五、七及び八についてでお答えしたとおりであり、これは、従来からの政府の見解と異なるものではない。

八について

 お尋ねの「塚本幼稚園」における教育については、五についてでお答えしたとおりである。
 また、私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)に基づき設立された学校法人森友学園が設立した御指摘の「塚本幼稚園」に係る教育の事業は、憲法第八十九条にいう「公の支配」に属すると解されることから、御指摘の「森友学園への当該国有地の賃貸ならびに譲渡」は同条の規定に反するものではない。

九について

 お尋ねについては、国は、学校法人森友学園に対し、御指摘の「当該国有地」を、法令の規定に基づき、適正な手続により、時価で譲渡したものであり、適切なものであったと考えている。