質問主意書

第193回国会(常会)

答弁書


答弁書第七三号

内閣参質一九三第七三号
  平成二十九年四月十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 伊達 忠一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出雇用保険法等の一部を改正する法律等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出雇用保険法等の一部を改正する法律等に関する質問に対する答弁書

一について

 平成二十八年度に厚生労働省が雇用保険の基本手当の過去の受給資格者を対象に実施したアンケート調査によると、再就職の希望時期について「できるだけ受給終了した後に就職したいと考えていた」及び「じっくり仕事を探し、受給終了の前後で就職できればよいと考えていた」とする回答が全体の約四十三パーセントを占めている。こうした実態を踏まえると、雇用保険の基本手当の所定給付日数(雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第二十二条第一項に規定する所定給付日数をいう。)を引き上げること等による早期再就職へのマイナスの影響は、少なからずあるものと考えている。

二について

 御質問の「その養育する子が一歳以上である者」が、仮に育児休業(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号に規定する育児休業をいう。以下同じ。)に係る一歳から一歳六か月に達するまでの子を養育する者を指しているとすれば、期間を定めて雇用される者であって、その養育する一歳から一歳六か月に達するまでの子について育児休業をしているものの具体的な人数は把握していない。
 雇用保険法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第十七号)附則第十四条の規定を踏まえ、期間を定めて雇用される者の育児休業の取得状況を把握する中で、その養育する一歳から一歳六か月に達するまでの子についてしている育児休業の実態も把握する必要があると考えており、その方法等については、今後検討してまいりたい。
 政府としては、期間を定めて雇用される者も含め、安心して育児休業をし、一定の場合にはその養育する一歳から二歳に達するまでの子について育児休業をすることができるように、引き続き、制度内容の周知や適切な指導等を行ってまいりたい。

三について

 求人者等が、求職者等と労働契約を締結しようとする場合であって、これらの者に対して職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)を変更等する場合には、求職者等が変更等された従事すべき業務の内容等を認識しないまま労働契約を締結する等の問題があるため、雇用保険法等の一部を改正する法律(平成二十九年法律第十四号)による改正後の職業安定法の規定により、求職者等が、従事すべき業務の内容等の変更内容を認識した上で、労働契約を締結するか否か等を判断することを可能としたものである。
 お尋ねの「労働契約締結時の労働条件の明示が労働条件等の変更の明示を兼ねる」の意味するところが必ずしも明らかでないが、仮に同時に行うという意味であるとすれば、変更等された従事すべき業務の内容等の明示が労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第一項の規定による労働条件の明示と同時に行われたとしても、今回の改正により、当該変更された従事すべき業務の内容等が明示されることで、労働者が保護されるものと考えている。