質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一五八号

森友学園に対する国有地売却に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月十六日

辰巳 孝太郎   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   森友学園に対する国有地売却に関する質問主意書

一 国と学校法人森友学園は、大阪府豊中市野田町一五〇一番の土地売却を巡って、二〇一五年五月二十九日に国有財産有償貸付合意書ならびに国有財産売買予約契約書、二〇一六年六月二十日に国有財産売買契約書をそれぞれ締結した。
 国有財産の売却においては、随意契約であっても見積り合わせを行うこととなっている。見積り合わせとは、買い取り希望者に見積価格を出させ、その金額が国の予定価格を上回る場合に、国有財産を売却するというものであり、国民の財産をできる限り高く売却するために行うものである。
 政府は、当該土地において二〇一六年二月より始まった杭打ち工事の過程でこれまで認識されなかった「新たな地下埋設物」が発見されたとしている。本来であれば、国と森友学園側の双方が地下埋設物の処理費用を見積った上で、それぞれ予定価格と見積価格を算出し、見積り合わせを実施することで売却価格が決定されるが、本件においては見積り合わせが行われなかった。
 これに関し、佐川財務省理財局長は、二〇一七年三月六日の参議院予算委員会において「今回のケースのようにどれだけの埋設物があるか分からないときに学校法人として短期間の間にそれを全部見積もるということは困難というケースもございますので、そういう意味では今回は大阪航空局の方で国として適正に見積もったと、こういうことでございます」と答弁している。
 ところが、二〇一六年三月十五日、田村財務省理財局国有財産審理室長と森友学園理事長である籠池氏が、当該土地における地下埋設物の処理について財務省内で折衝を行った時既に、籠池氏から地下埋設物の処理にかかる費用の試算が示されている。また、森友学園側が作成した地下埋設物の見積りを行った資料の存在が確認されている。そこで以下、質問する。

1 政府が、森友学園側が地下埋設物の量を見積もることは困難であると判断した根拠は何か。なお、森友学園側は、二〇一〇年の地下構造物状況調査業務報告書等、国有財産有償貸付契約合意書第五条に示された資料を工事実施主体として確認し、地下埋設物の試算に十分な基礎資料は入手している。
2 過去十年間に行われた国有財産である土地の売却において、随意契約でありながら見積り合わせを行わなかった件数、具体的事案及び見積り合わせを行わなかったそれぞれの理由について示されたい。

二 大阪府私立学校審議会ならびに国有財産近畿地方審議会では、森友学園の財務状況を不安視する意見が出されており、自己資産が少ない森友学園による、十年以内の当該土地の買い取りの成否を見極めるためには、寄附金の多寡が重要な関心事であった。
 二〇一五年二月十日の第百二十三回国有財産近畿地方審議会において、財務省近畿財務局の立川管財部次長は「定例的に財務内容、決算書とかそういった財務関係書類を提出いただいて経営状況といいますか、お金の具合といいますか、内部留保の積み上がり方をチェックさせていただくというふうなことを考えておるところでございます」と発言し、小池管財部長は「寄附については、二億八千七百万円集めるというのが学園の計画なのですけれども、既に大口の方から三月二十七日までに寄附をいたしますという文書をもらっているのですね。(中略)審議会でもそういうご質問が出た場合に寄附の集まり具合を説明したいので、なるべく早く寄附を受領することはできませんかという助言を我々はしたのですが、相手がある話ですので、(中略)実現してない」と発言している。

1 第百二十三回国有財産近畿地方審議会において、小池管財部長が二〇一五年三月二十七日までに入金される旨話していた大口寄附金は、実際に入金されたのか。
2 近畿財務局は、第百二十三回国有財産近畿地方審議会以降、銀行通帳を確認するなど、寄附金の入金が行われているかを森友学園側に確認したことはあるか。確認したことがあるとすれば、具体的にいつ確認したのか示されたい。

  右質問する。