質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一四四号

一時保護所の環境改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月十五日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   一時保護所の環境改善に関する質問主意書

一 一時保護の長期化や被保護人員の増加に伴い、都市部等で一時保護所の過密化は顕著であり、児童間のトラブルが増える、個別のケアができない等の声も寄せられている。一時保護所に保護されている児童は、虐待で傷つき心のケアが必要な児童が多いにもかかわらず、一時保護所の定員を超えているため十分な対応ができない状況が生じているのは、大きな問題だと考える。
 一時保護所の入所率の地域差は非常に大きく、平成二十七年の各都道府県の平均入所率については、最低は富山県の十%、最高は東京都の百七・七%となっている。
 この一時保護所の入所率の地域差、言い換えると「一部地域の過密化」について、厚生労働省はどのような対策を考えているか。

二 一時保護中の児童は基本的に、通学することができない。児童の安全の確保あるいは心身の安定のためには、ごく短期間であれば、一時保護所外部との通信手段をある程度遮断することは仕方ない面もあるのは理解出来る。ただ、児童にとって学校は、社会とのかけがえのない重要なつながりでもある。
 以上に鑑み、一時保護が長期化する場合には、児童の安全面などを十分検討した上で、児童が通学できるような取組を行うべきであると考えるが、政府の方針如何。

三 平成二十八年五月二十六日の参議院厚生労働委員会における児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議の六では、「一時保護については、子どもを取り巻く背景が様々であることに配慮し、個別の事情に応じた一時保護の在り方について検討するとともに、一時保護所の適切な運営を確保するために必要な措置を講ずること。」とされた。
 一時保護所については、長期化への対応や児童の学習権の保障のほか、被虐待児と非行少年が同時に入所するような混合処遇等の様々な問題がある。前記附帯決議を受けて、政府は何か具体的な検討を行い、あるいは必要な措置を講じたか、明らかにされたい。

  右質問する。