質問主意書

第193回国会(常会)

質問主意書


質問第一四一号

我が国製造業の事業環境改善に資する税制・経済連携に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十九年六月十四日

石上 俊雄   


       参議院議長 伊達 忠一 殿



   我が国製造業の事業環境改善に資する税制・経済連携に関する質問主意書

 昨年提出した、「我が国製造業の事業環境改善に資する税制・経済連携に関する質問主意書」(第百九十一回国会質問第一六号)に対する答弁書(内閣参質一九一第一六号)が閣議決定されてから、約一年が経過している。この間の我が国製造業の事業環境改善に資する税制・経済連携に関する取組みを踏まえ、以下のとおり質問する。

一 研究開発及び設備投資の促進支援について

 総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成二十八年三月)によると、IoTによる投資(設備投資・研究開発投資)増加率とIoTの効果(コスト削減率・売上増加率)には一定程度の相関が認められ、国別では、米国が突出し、次いで、韓国、ドイツ、中国、英国のグループであり、我が国はIoTによる投資増加率、IoTの効果いずれの指標でも最低の順位である。つまり、諸外国の企業は、我が国の企業より積極的にIoTへ投資し、その効果を享受しているのであり、我が国もこれら先進的取組みを行っている諸外国をベンチマークしてキャッチアップすることを政策目標に掲げるべきである。具体的には、我が国の産業基盤やいわゆる企業の稼ぐ力を強化して国内雇用の安定に資するべく、IoTに係る研究開発及び設備投資を促進する税制の一層の充実を図るべきと考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

二 他国との経済連携協定の促進について

 我が国経済を持続的・安定的な成長軌道に乗せ、雇用の創出・維持を図る上で、とりわけ成長著しいアジア太平洋地域との経済連携体制の構築は極めて重要である。しかし、環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)については、二〇一六年十一月の米国大統領選挙で勝利したトランプ氏が、就任直後にTPP協定からの離脱を表明する大統領令に署名したことから発効の目途が立たなくなっている。政府は、米国に対して粘り強くTPP協定への復帰を働きかけていくとともに、TPP協定から米国が離脱した状況下でもアジア太平洋地域における経済連携体制を構築するべく、現行TPP協定の見直しを行うべきと考えるが、今後のTPP協定交渉に対する政府の見解及び取組みを明らかにされたい。また、現在交渉中である日EU経済連携協定や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)等において、労働・環境等の社会条項が組み込まれることが重要と考えるが、政府の見解及び取組みを明らかにされたい。

  右質問する。